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【看護学生向け】国試に出る細胞の基本

看護師国試 過去問

看護師国家試験に向けて、解剖生理学の細胞から学びなおそうと考えている人も多いのではないでしょうか?

そこで、今回は国試にでる細胞の基本について、詳しく解説していきます。

  • 国試に出る部分だけを学びたい
  • 臨床に出てからも使える知識を身に着けたい
  • 基礎から学びたい

このように考えている看護学生に向けて、この記事では

  • 人間の最小単位
  • 細胞の基本構造
  • エネルギー産生方法
  • タンパク質合成

これらについて詳しく解説していきます。

記事の最後には、看護師国家試験の過去問を解説しています。ぜひ最後まで読んでみてください!

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「看護師国試に出題される細胞の基本」の講義動画

この記事の内容の理解がより深まるように、動画を公開しました!

文章ではなく、映像と音声で学びたい人は活用してみてください!

人間の最小単位は細胞

人間の身体はさまざまな構造が集まってできており、つながりを持った臓器のまとまりを「器官系」と呼び、消化器系や循環器系、呼吸器系、泌尿器系などがあります。

そして、単体で機能しているのが「器官」です。
例えば、消化器系には、小腸や大腸、肝臓、膵臓など、複数の器官が含まれています。

この器官を作っているのが「組織」です。
組織は、上皮組織、結合組織、筋組織、神経組織に分かれていて、

その組織を顕微鏡で見ると、たくさんの「細胞」から出来ていて、この細胞が人間の最小単位です。

細胞の基本構造を見てみよう!

細胞は、身体を作る元になるものなので、どの細胞も共通した構造や機能をもっています。

遺伝情報をもつ核とそれ以外の細胞質からできていて、細胞質の一番外側を細胞膜が包み込んでいます。

細胞質には、細胞内で一定の機能を果たす細胞小器官がたくさん含まれています。

  • 中心小体
  • 小胞体
  • リボソーム
  • ゴルジ装置
  • ミトコンドリア
  • リソソーム
  • 細胞骨格

これら細胞小器官は看護師国試で問われるので、それぞれの構造を詳しく見ていきましょう。

細胞内には通常1個の核があり、丸い形をしています。

核は内側・外側の二重構造の「核膜」で覆われており、核膜には「核膜孔」という穴があいていて、ここから核の内側と外側で物質のやり取りを行います。

核の内部には「DNA(デオキシリボ核酸)」が詰め込まれていて、ここに遺伝情報があります。

遺伝情報は、人の設計図として機能するため、とても大切なものです。

なので、核内の「核小体」にある「RNA」を使って、DNAの遺伝情報を写し取り、それを核の外側に運び出します。

小胞体

小胞体は網目状の構造をしていて、周りにリボソームが付いている「粗面小胞体」と、リボソームが付いていない「滑面小胞体」の2種類があります。

  • 粗面小胞体:RNAの情報を元にタンパク質を合成する。
  • 滑面小胞体は、コレステロールの合成や分解を行う。

リボソーム

粗面小胞体についてるリボソームは小さく細かいつぶのような形をしていて、核から運ばれてきた遺伝情報をもとに細胞の外で使うタンパク質を合成します。

それから、細胞間質に浮かんでいる遊離リボソームというものもあり、それは細胞内に使うタンパク質を作っています。

ゴルジ装置(ゴルジ体)

ゴルジ装置は、積み重なった平らな袋状の構造をしていて、リボソームで合成されたタンパク質を小胞体に包み、細胞外へ運び出します。

どのようにやっているのかというと、

ゴルジ装置で、細胞膜と同じ成分のタンパク質に包み込みます。

そして、細胞の外側まで運び、細胞外に出ると小胞体の外側の膜と細胞膜が同じなので、くっついて細胞膜に穴を開けることなく、分泌できるようになっています。

この方法を「開口分泌」と言います。試験には出ないので、役割が把握できればOKです。

中心小体

中心小体は、細胞分裂するときに活躍します。

核の近くにあって、細胞分裂の時に、染色体を細胞の両端に移動させます。

ミトコンドリア

細胞小器官の中で一番重要なのが「ミトコンドリア」です。

ミトコンドリアは内膜と外膜の二重構造をして、独自の核を有する特別な細胞小器官です。

細胞の活動に必要なエネルギーであるATPを作り出します。

リソソーム

リソソームは、加水分解酵素を含み、細胞内の不要になったものや体外の異物を分解します。

白血球に多く含まれています。

細胞骨格

細胞の主成分は液体なので、形を保ったり、細胞が移動できるようにするために「細胞骨格」は働きます。

細胞骨格はタンパク質でできた繊維状の構造で、太さや構造に応じて、「微小管」「アクチンフィラメント」「中間径フィラメント」の3種類があります。

  • 微小管:細胞小器官や小胞などを運搬する。
  • 中間径フィラメント:核や細胞全体の形を保つ役割をする。
  • アクチンフィラメント:細胞の表面に多く存在し、細胞の形を変えたり、運動する際に使われる。

細胞骨格は国試で問われませんが、アクチンフィラメントの名前だけは覚えておきましょう。

これで細胞小器官は以上です。しっかりと役割と構造を覚えておきましょう!

細胞からエネルギーを生み出すのは「ミトコンドリア」

人間が生きるにはエネルギーが必要です。

私たちは食事から得た栄養素と、呼吸で取り込んだ酸素を使ってエネルギーであるATPを生み出しています。

ATPの構造は、アデニンとリボースに3つのリン酸がくっついています。

3つのリン酸がついているので、アデノシン「三リン酸」と言います。

エネルギーが必要になると、リン酸が1つ外れて「ADP(アデノシン二リン酸)」に変わり、その際、エネルギーが放出されます。

このエネルギーの元であるATPを効率よく作り出しているのが、細胞小器官の「ミトコンドリア」です。

まず、グルコース(ブドウ糖)を分解することからエネルギーを取り出す過程が始まります。

グルコースを分解するとピルビン酸という物質ができます。

ミトコンドリアは、ピルビン酸を「アセチルCoA」「クエン酸回路(TCA回路)」に通して、電子伝達系で酸素を使い化学変化を起こし、より多くのATPを作ります。その時、水、二酸化炭素も一緒に生み出されます。

このエネルギーの産生方法は生きていくための基本的な働きなので、しっかりと覚えておいてください。

細胞内でのタンパク質の合成方法

タンパク質は、皮膚、筋肉、内臓だけでなく、ホルモンや酵素、抗体、神経伝達物質など、すべての生命活動に欠かせない重要な物質です。

タンパク質は20種類あるので、その中から髪の毛をつくる、皮膚をつくる、ホルモンや神経伝達物質をつくるなど、違うものをつくるには、レシピが必要です。

そのレシピとなるのが、核内にあるDNA(遺伝子)です。

DNAは、糖のデオキシリボースとリン酸に塩基が結びついてできていて、この1つの単位を「ヌクレオチド」と言い、このヌクレオチドが何個もつながって、1本の鎖のような形をしています。

そして、もう1本の鎖が仲の良い塩基同士くっついて、二重らせん構造をしています。

塩基には「アデニン」「チミン」「シトシン」「グアニン」の4種類があり、アデニンとチミン、グアニンとシトシンがペアを組んで、くっついています。

DNAを核内から持ち出すことはできないので、RNAにコピーして運び出します。

RNAには、アデニン、ウラシル、シトシン、グアニンがあり、DNAで使われているチミンの代わりにウラシル(U)が使われます。

DNAに似た構造をしていますが、1本の鎖しかありません。

タンパク質の合成方法

核内にあるDNAは、RNAにでコピーします。

コピーして書き写す過程を「転写」と呼び、この転写で使うRNAを「mRNA(メッセンジャーRNA)」と呼びます。

mRNAによって、核の外へ運び出されたmRNAは3つの塩基が1つのセットとして暗号化されています。

それを解読して、それぞれ特定のアミノ酸を運んでくるRNAを「tRNA(トランスファーRNA)」が運んできます。

tRNAが運んできたアミノ酸は、リボソーム内で順番に並べていきます。

この過程を「翻訳」と言います。

翻訳と転写という言葉がごちゃごちゃしやすいので、覚えるときは気を付けてくださいね。

細胞に関する細胞国家試験の過去問にチャレンジしよう!

それではここまでの内容を復習するために、過去問を解いていきましょう!

第102回 午前76問

1. ミトコンドリア
ミトコンドリアは、クエン酸回路、電子伝達系などによって、酸素を消費しエネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)を産生する。

2. リボソーム
リボソームは、蛋白質を合成する場所。

3. ゴルジ体
ゴルジ体(ゴルジ装置)は、蛋白質を濃縮・加工したり、加工物を細胞表面に送り出したりする場所。

4. 小胞体
小胞体は、蛋白質の合成に関与し輸送を行う場所。

5. 核
核には、DNA(デオキシリボ核酸)があり、タンパク質の遺伝情報が組み込まれている場所。

第104回 午前77問

1. 核
核には、DNA(デオキシリボ核酸)がある。DNAは遺伝情報を貯えている。

2. リボソーム
リボソームは、核から遺伝情報を運んできたRNAをもとに、蛋白質を合成する場所。

3. リソソーム
リソソームは、細胞にとって不要な物質を分解する場所。

4. ミトコンドリア
ミトコンドリアは、ATP(アデノシン三リン酸)を産生する場所。

5. Golgi〈ゴルジ〉装置
ゴルジ装置は、細胞外に輸送するために細胞膜と同じ小胞体に包み込む場所。

第100回 午前29問

1. mRNAがアミノ酸をリボソームへ運ぶ。
mRNAはDNAの情報を伝達するはたらきをもち、アミノ酸をリボソームへ運ぶのはtRNAである。

2. DNAは1本のポリヌクレオチド鎖である。
DNAは、2本のポリヌクレオチドからできた二重らせん構造をしている。

3. DNAには遺伝子の発現を調節する部分がある。
DNAは、すべてに遺伝情報があるわけではなく、遺伝情報を含む部分と含まない部分があり、遺伝情報を含む部分とDNAを合わせて「ゲノム」と言います。

4. RNAの塩基配列によってアミノ酸がつながることを転写という。
RNAの塩基配列によってアミノ酸がつながることを翻訳という。転写とは、DNAの塩基配列に対応するmRNAを作ることです。

第103回 午後27問

1. DNAは体細胞分裂の前に複製される。
DNAは体細胞分裂の前に複製され、その後に染色体に凝縮し、核分裂、細胞質分裂が起こって体細胞分裂が行われる。


2. DNAは1本のポリヌクレオチド鎖である。
DNAは、ヌクレオチドが2本が結合して二重らせん構造になっている。


3. DNAの遺伝子情報からmRNAが作られることを翻訳という。
DNAからmRNAが作られることを転写と言う。


4. RNAの塩基配列に基づきアミノ酸がつながることを転写という。
RNAの塩基配列に基づきアミノ酸がつながることは翻訳と言う。

第95回 午後1問

1. 細胞は器官によって異なる遺伝情報を持つ。
全ての細胞がもっている遺伝情報は同じ。

2. 3つの塩基で1種類のアミノ酸をコードする。
3つの塩基が1組となり、アミノ酸を表す。

3. 動物と植物のDNAは異なる塩基を持つ。
動物も植物も、DNAの塩基はアデニン(A)グアニン(G)チミン(T)シトシン(C)の4種類である。

4. 遺伝情報に基づき核内で蛋白合成が行われる。
蛋白質の合成の場所は、細胞小器官のリボソームである。核内で合成はされません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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