PR

母子保健法って何する法律?看護師国家試験の頻出ポイント解説

健康支援と社会保障制度

「母子保健法に何が規定されているの?」
「どこを覚えればいいの?」

看護師国家試験では、「母子保健法」に関する問題がよく出題されます。

でも、「なんとなく見たことある」「あやふやなまま暗記した」だけでは得点に結びつきにくいのがこの分野の厄介なところ。

この記事では、母子保健法のポイントを、国家試験で問われやすい部分に絞って、わかりやすく解説します。

制度の役割や似た名称の違いもサクッと整理できるので、勉強のスキマ時間にもおすすめです!

受け取った人の声
  • 「苦手分野が整理できて、国試勉強がはかどった!」
  • 「覚えにくいところもイメージで理解、模試の点がUPした!」
  • 「国家試験に直結、勉強の方向性がはっきりした!」
スポンサーリンク

母子保健法とは?

母子保健法は、母親と子どもの健康を守り、支えることを目的とした法律です。

この法律が制定されたのは1965年(昭和40年)。

当時は乳児死亡率や妊産婦死亡率が高く、流産・早産・死産なども深刻な問題でした。

それまで乳幼児の保健対策は児童福祉法の中で扱われていましたが、これを独立させ「母子保健」として新たに体系化されたのが母子保健法です。

ケアドラ
ケアドラ

この法律ができたことによって、乳児や妊産婦の死亡率が大きく改善したよ!

母子保健法は児童福祉法から切り離された経緯があるため、関連する内容も多く、児童福祉法とあわせて学ぶことで理解が深まります。

母子保健法の対象者をイメージしておこう!

母子保健法の対象者は、次の通りです。

  • 妊産婦:妊娠中または出産後1年以内の女子
  • 新生児:出生後28日を経過しない乳児
  • 乳児:1歳に満たない子ども
  • 幼児:満1歳から小学校就学までの子ども
  • 未熟児:身体の発育が不十分なまま生まれ、正常な機能をまだ備えていない子ども

つまり、母子保健法が対象とするのは、妊娠中から出産後までの母と、生まれてから就学前までの子ども全体です。

この区分を知っておくと、他の法律(児童福祉法や学校保健安全法など)との違いも理解しやすくなります!

看護師国家試験に頻出な母子保健法のポイント7つ

母子保健法に書かれている内容で、看護師国家試験によく出題されるのは次の内容です。

  • 妊娠の届出と母子健康手帳
  • 妊婦健康診査(妊婦検診)・乳幼児健康診査(乳児検診)
  • 妊産婦・未熟児・新生児の訪問指導
  • 先天性代謝異常検査(新生児マススクリーニング)
  • 低出生体重児の届出・未熟児養育医療
  • 保健所と保健センターの役割
  • 子育て包括支援センター(母子健康包括支援センター)

一つずつ順番に見ていきましょう!

妊娠の届出と母子健康手帳

妊娠がわかったら、まず市町村に妊娠の届出を行い、母子健康手帳を受け取ります。

国の施策である「健やか親子21」では、「妊産婦や乳幼児への切れ目ない保健対策」が掲げられており、母子健康手帳の交付時に保健師や助産師と面談を行うことがその一環とされています。

面談の内容
  • 市町村で行っている支援制度の説明
  • 妊婦健康診査や妊婦歯科健診の案内
  • 妊娠中の過ごし方や栄養指導
  • 母子保健センターによる支援の紹介

特に、家庭環境や本人の思いを聴き取る機会として重視されており、支援体制の構築や児童虐待防止につなげる重要なタイミングとされています。

母子健康手帳に記載される項目を見てみると、母子保健法で全国統一されています。

引っ越しや里帰り出産などで異なる医療機関にかかる場合でも、この手帳を活用することで一貫した支援を受けられるようになっています。

加えて、市町村によっては独自情報が追加されていることもあります。

自分や家族の母子健康手帳を見返してみると、実際にどのように使われているのかがわかり、理解が深まります。

手元にある方は、ぜひ一度開いてみてください。

妊婦健康診査(妊婦検診)

妊婦健康診査は、妊婦さんと胎児の健康状態を定期的に確認する健診です。

妊娠の経過に応じて、次のような頻度で行われます。

ココがよく出る!
  • 妊娠24週未満: 4週間に1回(=月1回)
  • 妊娠24週〜36週未満: 2週間に1回
  • 妊娠36週〜出産まで: 1週間に1回

妊婦健康診査は、原則14回分まで公費補助があります。

そのため、妊娠40週までに必要な回数は無料で受けられるようになっています。

乳幼児健康診査(乳児検診)

乳幼児健康診査は、子どもの健康状態を把握し、病気や発達の異常を早期に発見・対応するための健診です。

乳幼児期には、以下の3つのタイミングで健診が行われます。

  • 4ヶ月健診
  • 1歳6か月健診
  • 3歳児健診

乳幼児健康診査では、主に診察や身体計測、栄養状態の確認が中心です。

1歳6か月健診・3歳児健診では、身体的な成長に加えて、精神発達の確認(言葉・行動・対人関係など)も行います。

異常が疑われた場合には、必要に応じて後日、精密検査を行います。

健診で異常を指摘された保護者は、強い不安や育児への自信喪失を感じることがあります。

しかし、発達は個人差が大きく、一時的な遅れであることも多いため、医療者からの丁寧な説明や心のサポートが非常に重要です。

妊産婦・未熟児・新生児の訪問指導

妊婦健康診査や乳幼児健診の結果、支援が必要と判断された場合、保健師や助産師が自宅を訪問し、保健指導や健康診査などを行います。

また、養育上の支援が必要な未熟児も訪問指導の対象です。

ケアドラ
ケアドラ

全ての乳児の家庭に訪問する「こんにちは赤ちゃん事業」が児童福祉法には定められていて、似たような事業だから勘違いしないようにしよう!

先天性代謝異常検査(新生児マススクリーニング)

先天性代謝異常検査は、生まれてきたすべての新生児を対象に都道府県や指定都市で実施されています。

この検査では「タンデムマス法」が用いられています。

タンデムマス法とは?

生後5〜7日ごろに、足の裏を少し刺して少量の血液を採取し、ろ紙にしみこませて検査を行います。

ろ紙血から特定のアミノ酸や代謝産物を測定することで、以下の疾患を同時にスクリーニングできます。

  • アミノ酸代謝異常
  • 有機酸代謝異常
  • 脂肪酸代謝異常 など

現在では、20種類以上の代謝異常症を早期に発見可能となっています。

なぜ、生後5-7日目に実施するのか

アミノ酸や糖の代謝異常は、ある程度哺乳が進み、栄養がしっかり摂取されている状態でないと正確に検出できません。

生後すぐや哺乳が不十分な時期に検査を行うと、異常が見逃されてしまう可能性があります。

そのため、検査は哺乳が安定してくる生後5〜7日目に行われます。

低出生体重児の届出・未熟児養育医療

出生時の体重が2,500g未満の新生児は、母子保健法により市町村への届出が義務づけられています。

特に、出生時体重が2,000g以下、または体温34℃以下・黄疸などがみられる「生活力の薄弱な未熟児」は「未熟児養育医療」を受けることができます。

この制度は、指定医療機関で治療を受ける際、医療費の一部が公費で負担されるものです。

似たような名前の制度がいくつかあるので、国試に狙われやすくなっています。

ここがよく出る!
  • 未熟児養育医療(養育医療)
    【根拠法】母子保健法
    【内容】未熟児向けの公費医療制度
  • 結核療育医療(療育医療)
    【根拠法】児童福祉法
    【内容】子供が結核に罹患した時の公費医療制度
  • 療育手帳
    【根拠法】なし
    【内容】知的障害者に交付される手帳

名前は似ていますが、それぞれ対象・目的・根拠法が異なります。

混乱しやすいため、しっかり整理して覚えましょう。

保健所と保健センターの役割

これまで説明してきた内容は、すべて保健所または保健センターで実施することが法律で定められています。

では、保健所と保健センターはどのような役割の違いがあるのでしょうか?

保健所の役割
  • 先天性代謝異常検査(新生児マススクリーニング)の実施
  • 不妊専門相談や女性の健康教育の推進
  • 小児慢性特定疾病医療助成制度の管理・支援
  • 周産期・小児医療の整備と連携体制の構築

このように保健所は、専門的な知識や体制を必要とするサービスが中心です。

一方、保健センターは地域の母子を対象にした対人支援サービスを中心に行います。

保健センターの役割
  • 健康診査の実施
  • 母子健康手帳の交付や両親学級の開催
  • 妊娠期や育児期の家庭への訪問指導
  • 未熟児養育医療の支援

身近な地域での健康支援や相談を担当し、住民と直接かかわることが多いのが特徴です。

子育て包括支援センター(母子健康包括支援センター)

子育て世代包括支援センターは、母子保健サービスと子育て支援サービスを一体的に提供する総合相談窓口です。

法律上の名称は「母子健康包括支援センター」と言います。

妊娠・出産・子育てには、次のような悩みがつきものです。

「夜中ずっと泣いてて…どうしてあげればいいの?」
「育休明け、仕事と育児どう両立すればいいんだろう」
「ネットの情報は多すぎて、どれを信じてよいかわからない…」

このような不安や悩みに、切れ目なく寄り添うことを目的として設置されました。

ケアドラ
ケアドラ

いままでは、母子保健サービス(育児相談)と子育て支援サービス(子育て相談)が分かれていて、支援の連携が不十分だったんだ。

2017年(平成29年)の母子保健法改正により、子育て包括支援センターの設置が市区町村の努力義務とされました。

国の方針では、2020年度末までの全国展開が目指されています。

子育て包括支援センターの役割
  • 妊産婦および乳幼児の実情の把握
  • 妊娠・出産・子育てに関する相談対応(情報提供・助言・保健指導など)
  • 個別支援が必要な場合の支援プランの策定
  • 関係機関(保健・医療・福祉など)との連絡・調整
  • 母子保健事業の実施
  • 子育て支援事業の実施 など

令和6年から子育て世代包括支援センターは「こども家庭センター」へ

2024年(令和6年)から子育て世代包括支援センターは、こども家庭センターへと統合されました。

いままでは、次のように相談場所を分けて対応していました。

  • 妊娠期から子育てに関する相談
    子育て世代包括支援センター(母子保健法)
  • 支援が必要な妊産婦や児童に関する相談
    子ども家庭総合支援拠点(児童福祉法)

しかし、虐待の相談件数の増加やヤングケアラーが社会問題となり、両者の連携が不十分であることが分かりました。

そのため、妊娠期から18歳未満の子どもを持つ保護者への切れ目ない支援を行う「こども家庭センター」へ統合されました。

これにより、法律上の名称としては残るものの、事実上の廃止となり、市町村が「こども家庭センター」への移行を順次進めています。

ケアドラ
ケアドラ

過去にもこども家庭センターは問われているから要チェックだよ!

名称や役割の変化、背景となる社会的課題も含めて、しっかり押さえておきましょう。

母子保健法のまとめ

母子保健法について解説してきました。

次の内容を押さえておきましょう!

  • 妊娠の届出と母子健康手帳
  • 妊婦健康診査(妊婦検診)・乳幼児健康診査(乳児検診)
  • 妊産婦・未熟児・新生児の訪問指導
  • 先天性代謝異常検査(新生児マススクリーニング)
  • 低出生体重児の届出・未熟児養育医療
  • 保健所と保健センターの役割
  • 子育て包括支援センター(母子健康包括支援センター)

この記事に書かれているポイントを押さえておけば、母子保健法に関する国家試験問題はしっかり得点できます。

ほかにも、国試に役立つ制度や法律の解説記事を掲載していますので、ぜひあわせてチェックしてみてください!

コメント