「頭が悪いと看護師になれない」
看護師になりたいと思ったとき、真っ先に頭をよぎるのが「自分の学力で本当に大丈夫なのか」という不安ではないでしょうか。
- 学校のテストで良い点を取ったことがない。
- 数学がとにかく苦手。
- 成績表を見るたびに気が重くなる。
そんな自分が、人の命に関わる看護師になれるはずがない…。
そう思ってしまうのは、決して不思議なことではありません。
この記事の結論を先にお伝えします。
看護師になれるかどうかは、今の頭の良さでは決まりません。
決め手は、学力よりも「マインド」です。
この記事では、その理由をデータと一緒に説明していきます。
「頭が悪いから看護師になれない」は思い込み!
「テストの点数が低い」
「暗記が苦手」
「数学でずっとつまずいてきた」
こうした事実そのものは、否定する必要はありません。
実際に起きていることですし、無理に「本当は頭がいい」と言い聞かせる必要もないです。
問題は、その事実の後ろに何をくっつけるかです。
「数学が苦手」という事実に、「だから看護師にはなれない」という一文を無意識にくっつけていないでしょうか。
学力の低さと、看護師になれるかどうかは、本来イコールではありません。
看護師になるための勉強は、これまでの学校の勉強とはジャンルが違います。
入学後の学び方次第で伸びる人もたくさんいます。
それなのに「頭が悪い」という事実と「無理」という結論を、ワンセットにしてしまう。
これが最初に外しておくべき思い込み、つまりラベリングです。
ラベリングが行動を止め、行動が止まると選択肢が消えていく
「どうせ自分に看護師は無理」というラベルを一度自分に貼ってしまうと、そこから先の行動が止まります。
「看護学校を調べることをやめる。」
「オープンキャンパスに足を運ばない。」
「パンフレットを取り寄せない。」
「予備校や説明会の情報を検索することもしない。」
一つひとつは小さな「やらない選択」ですが、これが積み重なると、実際に選択肢そのものが消えていきます。
ここで大事なのは、選択肢が消えた原因です。
学力が足りなかったからではなく、調べる・動くという行動を自分で止めてしまったからです。
原因と結果を取り違えると、「やっぱり頭が悪いから無理だった」という思い込みだけが強まっていきます。
まず変えるべきは学力より先に「マインド」
だから最初に変えるべきは、学力よりもマインドです。
ではなく、
という前提に立ち直すこと。
この一歩がなければ、これから紹介する情報も「自分には関係ない話」として素通りしてしまいます。
逆に、マインドを切り替えられれば、以降の情報はすべて自分の武器として使えます。
看護師になるための壁は、実はシンプルに2つだけ
看護師になるための条件は、実はとてもシンプルです。
看護学校を卒業すること、そして看護師国家試験に合格すること。
この2つだけです。
もちろん、学校に入ってからは実習・課題・テストといった壁が何度も訪れます。
しかし、これらはすべて「卒業」と「国試合格」という2つの条件を満たすための過程であって、それ以外に何か特別な条件が課されているわけではありません。
つまり、不安の正体を突き詰めると、次の2つに集約されます。
- 看護学校に入れないのではないか。
- 看護師国歌試験に合格できないのではないか。
この2つさえクリアできる見込みが立てば、「なれるかどうか」という漠然とした不安は、かなり具体的な行動に変換できます。
看護学校選びは、自分の学力に合わせればいい
看護系の学校は、偏差値に大きな幅があります。
目安として、看護専門学校は偏差値43〜60程度、看護大学は偏差値48〜70程度です。
学費や通学範囲という条件も検討材料に入ってくるものの、自分の学力に合った学校を選べば看護学生になること自体は十分に可能です。
まずは自分の生活圏内にどんな看護系の学校があり、それぞれの偏差値・学費・入試科目がどうなっているかを、実際に調べてみることが最初の一歩です。
調べてみて初めて、「自分にも届く場所」が具体的に見えてきます。
詳しい偏差値や学校ごとのデータは、大学・専門学校の偏差値比較サイトなどで自分で調べることができます。
気になる地域や学校名で検索してみると、思っている以上に選択肢の幅が見えてくるはずです。
看護師国家試験は9割前後が合格できる試験
国家試験についても、合格率は例年88〜90%前後で推移しています。
これは、一部の優秀な人だけが受かる試験ではないことを示しています。
もちろん学校によって合格率に差はありますが、それは元々の学力差というより、学校でどれだけ着実に学べたかの差です。
国試は、地頭の良さを問う試験ではなく、学校で習ったことをどれだけ身につけたかを確認する試験です。
入学前の学力は、スタート地点の違いにすぎません。
ゴールを決めるのは、入学後の積み重ねです。
看護学校へ入学後についていけるか過度に不安にならなくていい
学校選びも国試も乗り越えられそうだとわかっても、「入学してから授業や実習についていけるだろうか」という不安は残ります。
看護学校を辞める人は実際にいる
看護系の大学・短大では、全体の1割近くが退学しているという厚生労働省の調査結果があります。
専門学校全体(看護以外の分野を含む)では、令和6年度の中途退学率が約6.05%でした。
このように、看護学校に合格しても辞める人が一定数いるのは事実です。
看護学校を辞める理由は「頭の悪さ」だけではない
護学生の退学理由を国内外6件の研究から整理した論文では、退学理由が次の6つに分類されています。
- 環境や人間関係になじめない
- 実習などを通じて「自分は看護師に向いていない」と感じた
- 看護への興味や意思が弱かった(親の勧めで進学した、辞める友人に影響された、など)
- 授業・課題・テストが多く、ついていけない
- 学業を続けるための支援が足りなかった
- 家族の病気、経済問題、妊娠など人生の出来事
「ついていけない」は理由の一つとして実際に挙がっています。
ただ、それだけで辞めるわけではありません。
論文によれば、学生はこれらの理由を1つではなく複数抱えていて、重なることで負のスパイラルに陥っていました。
本当に怖いのは、つまずいた後の受け止め方
また、論文では、学習についていけないと感じた学生が「自分は他の学生より劣っている」という意識を持ちを抱えており、
「自分は向いていない」と思って意欲が下がり、周りから孤立して退学を考えるという流れが指摘されています。
これは、この記事の前半でお話しした「頭が悪いから無理」というラベリングと同じ構造です。
つまずくこと自体より、つまずいた自分に「やっぱり無理だ」とラベルを貼ってしまうことの方が危険なのです。
だからこそ、学力よりマインドが大切になります。
まとめ:「頭が悪くて看護師になれない」ということはない!
看護師になるには、看護学校に入学して卒業し、国家試験に合格する。
必要なのはこの2つです。
- 自分の学力に合った学校を選べばいい
- 国試は入学後の積み重ねで合否が決まる
学力に自信がないことは、看護師になれない理由にはなりません。
「頭が悪いから無理」というラベルを外し、自分に合った道を探し始めたとき、看護師への道は具体的に見えてきます。
よくある質問
看護師になった後の不安について、よくある疑問に答えていきます。
- Q学力が高くないと、就職先は限られますか?
- A
限られません。看護師の就職先は、病院、クリニック、介護施設、訪問看護ステーション、企業や学校の保健室など多岐にわたり、どこで働けるかは「看護師免許を持っているか」が前提になります。求められるのは免許と、その職場で働く意欲や適性であり、入学前の偏差値や学力で応募できる職場が分かれることはありません。
- Q学力が高くないと、現場についていけませんか?
- A
最初は覚えることが多く、指導を受ける場面もあります。ただ、それは学力が低い人に限った話ではありません。新人看護師は誰でも、学校で習った知識を現場で使える形にするところから始めます。多くの職場には新人教育の仕組みがあり、少しずつ業務を任される流れになっています。
現場で力になるのは、入学前の学力よりも、分からないことをその場で確認する、ミスを振り返って次に活かすといった日々の積み重ねです。ここでも、学力よりマインドが大切になります。
- Q自分に合った働き方は選べますか?
- A
選べる余地は比較的あります。夜勤のある病院、日勤のみのクリニックや施設、利用者と1対1で向き合う訪問看護など、職場によって働き方は大きく変わります。看護師は慢性的な人手不足が続いている職種なので、経験を積んだ後に職場を変える人も少なくありません。「最初の職場が合わなかったら終わり」という職種ではありません。
- Q就職してから「向いていない」と感じたらどうなりますか?
- A
職場が合わないだけなら、環境を変えることで解決するケースは多くあります。人間関係、業務量、夜勤の負担などは、職場によって大きく違うからです。免許があれば、別の職場で看護師として働き直せます。
「つらい=看護師に向いていない」と決めつける前に、まずは職場を変える、相談する、休むという選択肢があります。これは学校生活のつまずきと同じで、大切なのは「もう無理だ」とラベルを貼る前に、行動を選び直すことです。

コメント