「日常生活自立支援事業って、どこを覚えればいいの?」と迷っていませんか?
この記事では、看護師国家試験に出やすいポイントを厳選して、わかりやすくまとめました!
- 何となく全体像がつかめていない
- 教科書を読んでもどこを覚えていいかわからない
- 短時間で効率的に対策したい
出題頻度は多くないですが、押さえておけば確実に得点できる分野です。
ぜひ最後まで読んで、試験準備に役立ててくださいね。
日常生活自立支援事業とは?
日常生活自立支援事業とは、判断能力が十分ではない高齢者や障害のある方が、住み慣れた地域で安心して生活を続けられるように支援するサービスです。
この事業は、全国どこでも支援が受けられる体制の整備を目的に、平成11年(1999年)に「地域福祉権利擁護事業」としてスタートしました。
そして、より目的や内容をわかりやすくするために、平成19年(2007年)に「日常生活自立支援事業」へ名称が変更され、現在に至っています。
日常生活自立支援事業の対象者
日常生活自立支援事業の対象者は、次のような方です。
- 自宅で生活されている認知症高齢者、知的障害者、精神障害者
- 契約内容が理解できる程度の判断能力がある人
こうした方々の中には、「日々のちょっとした困りごと」に悩んでいる人も少なくありません。
- 福祉サービスを使いたいけれど、どこに相談すればいいのかわからない
- 年金や生活費のやりくりが難しく、お金の管理に困っている
- 郵便物が届いても内容がよくわからず、手続きができない
- 訪問販売の人にすすめられるまま契約してしまい、後から不安になる
このような日常の困りごとは、判断能力の低下によって誰にでも起こり得ることです。
だからこそ、日常生活自立支援事業のような支えが、地域の中でとても大切になってきます。
日常生活自立支援の根拠法と実施主体
日常生活自立支援事業は、社会福祉法第2条において「福祉サービス利用援助事業」として位置づけられています。
この事業は、都道府県や指定都市の社会福祉協議会が中心となって実施しています。
ただし、利用者の利便性を考慮し、実際の相談窓口は市区町村の社会福祉協議会が委託を受けて担当しています。
相談からサービス提供までは、社会福祉協議会に所属する専門員や生活支援員が利用者の自宅を訪問し、状況を把握したうえで支援内容を調整していきます。
日常生活自立支援のサービス内容
⓵福祉サービスの利用支援
福祉サービスの「使い方がわからない」「手続きが難しい」と感じる方のために、利用に関するさまざまな手続きをサポートしています。
- 福祉サービスの利用や中止に必要な手続きの支援
- 苦情解決制度の利用手続きの支援
- 行政手続きや住まい・生活に関わる契約の支援
- 福祉サービス利用料の支払いに関する手続き支援
このように、福祉サービスを「安心して利用し、必要に応じて見直せるように支えること」が利用支援の大きな役割です。
②日常的金銭管理サービス
「お金のやりくりが心配」「支払いの手続きが難しい」と感じる方のために、日々の支払いに関する手続きや管理をサポートしています。
- 年金や福祉手当の受け取り手続きの支援
- 医療費の支払い手続きの支援
- 税金・社会保険料・公共料金の支払い手続きの支援
- 日用品などの買い物代金の支払い手続きの支援
- 支払いに伴う預金の出し入れ・解約・預け入れの支援
このように、生活に必要な支払いを自分の意思で適切に行えるように日常的な金銭管理をサポートするのが目的です。
必要なお金を安全に使いながら、自分らしく生活を続けるための大切な支援といえます。
③書類等の預かりサービス
「大切な書類や印鑑をどこに置いたか分からなくなる」という方のために、重要な書類や印鑑などを安全な場所に保管し、必要なときに取り出せるサポートをします。
- 年金証書
- 預貯金の通帳
- 権利書(不動産登記など)
- 契約書類
- 保険証書
- 実印・銀行印
- その他、実施主体が適当と認めた書類やカード類
大切なものをしっかり守ってもらえる安心感が、日常生活の安定につながります。
日常的金銭管理サービスとあわせて利用すれば、より一層の安心が得られます。
④定期的な訪問による生活変化の察知
この支援は、利用者のもとへ定期的に訪問し、生活や心身のちょっとした変化に気づき、必要な支援へとつなげることを目的としています。
高齢者や障害のある方が一人暮らしをしている場合、日々の小さな変化に早く気づくことが、安心して暮らし続けるためにとても大切です。
- いつもは笑顔で迎えてくれる人が、今日は元気がない
- 部屋が片付いておらず、服装も乱れている
- 薬の飲み忘れが増えている
こうした「小さな変化」に気づけるのは、定期的に関わり、普段の様子を知っているからこそです。
生活支援員は、変化を感じ取ったときには、地域の社会福祉協議会の専門員やケアマネジャー、ご家族などと連携し、必要な支援につなげる“橋渡し役”を担います。
この見守りは、単なる「安否確認」ではありません。
利用者の“いつもの状態”をしっかり把握しているからこそできる、“気づきの支援”なのです。
日常生活自立支援で対応できないこと
日常生活自立支援では、次のようなサービスは対象外です。
これらは専門的な内容や、本人の身体・財産に大きな影響を及ぼすため、日常生活の範囲を超えています。
そのため、日常生活自立支援の対象外となり、別の適切なサービスを利用して解決する必要があります。
日常生活自立支援と成年後制度の違い
日常生活自立支援事業
日常生活自立支援事業は、認知症や知的障害、精神障害などによって、日常生活に不安のある人を対象とした支援制度です。
この制度では、本人の意思を尊重しながら、福祉サービスの利用や日常的な金銭管理などを支援します。
支援は、社会福祉協議会との契約に基づいて行われるため、あくまで本人の自己決定を支えることが重視されます。
対象となるのは、判断能力がある程度残っている人です。
成年後見制度
一方、成年後見制度は、判断能力が著しく低下している人や失われた人に対して適用されます。
この制度では、家庭裁判所が選任した後見人等が、本人に代わって契約や財産管理などの法律行為を代理して行います。
目的は、本人の意思の尊重よりも、法的にしっかりと保護することに重点があります。
後見人には、法律的な代理権や同意権、取消権などの強い権限が与えられます。
ここがややこしい!日常生活自立支援事業と似たサービス
地域生活支援事業
地域生活支援事業は、障害者や障害児が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、市町村や都道府県が実施する支援事業です。
この事業は、障害者総合支援法に基づいて行われています。
その中のサービスの一つとして、成年後見制度利用支援事業があります。
成年後見制度利用支援事業は、成年後見制度を利用する際の申立て費用などを市町村が補助し、利用しやすくするための制度です。
介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)
市町村が主体となって実施する、高齢者の介護予防と日常生活の支援を目的とした事業です。
介護が必要になる前の段階で、地域のサービスや住民の支え合いを活用し、高齢者が住み慣れた地域で自立した生活を続けられるよう支援します。
サービスには、配食・見守り・通いの場の提供・生活支援などがあり、地域包括支援センターと連携して行われます。
介護保険法に基づいており、主な対象は「65歳以上の高齢者」です。
日常生活自立支援事業に関する看護国試の過去問を解いてみよう!
社会福祉法における日常生活自立支援事業で支援計画に基づき支援を実施するのは誰か。
1. 生活支援員
2. 市町村職員
3. かかりつけ医
4. 訪問介護員(ホームヘルパー)
正解:1
1. 生活支援員
社会福祉協議会が実施主体となっており、そこで働いている日常生活自立支援専門員や生活支援員が相談の受付からサービスの提供を行います。
2. 市町村職員
市町村ではありません。
3. かかりつけ医
かかりつけ医ではありません。
4. 訪問介護員(ホームヘルパー)
訪問介護員(ホームヘルパー)ではありません。
判断能力が不十分な認知症高齢者の権利擁護を目的とするのはどれか。
1. 公的年金制度
2. 生活保護制度
3. 後期高齢者医療制度
4. 日常生活自立支援事業
正解:4
1. 公的年金制度
年金制度とは、高齢や障害、死亡などに備えて、一定の条件を満たした人に定期的に給付金を支給する公的な保障制度です。
2. 生活保護制度
生活保護制度とは、生活に困窮する人に対して、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、自立を支援する制度です。
3. 後期高齢者医療制度
後期高齢者医療制度とは、75歳以上(または65歳以上で一定の障害がある人)が対象となる、独立した医療保険制度です。原則、医療費の1~3割を自己負担があります。
4. 日常生活自立支援事業
日常生活自立支援事業とは、判断能力が十分でない高齢者や障害者の日常的な金銭管理や福祉サービスの利用を支援する事業です。
Aさん(72歳、女性)は、1人で暮らしている。小学校の教員を定年退職後、書道教室に月2回、体操教室に月1回通っている。20年前に高血圧症と診断され、月に1回かかりつけの病院を受診し、内服治療をしている。6か月前から、Aさんは病院の受診日を間違えたり、書道教室の日時を忘れることがあり、かかりつけの医師に相談した。Aさんは認知症専門医を紹介され、Mini-Mental State Examination〈MMSE〉18点で、軽度のAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症と診断された。
診断から2か月後、かかりつけの病院の看護師にAさんは「50年以上住んでいるこの土地で、できるだけ他人の迷惑にならず生活を続けたいと思って貯金もしてきました。私は軽い認知症だと言われたのですが、これからも自分でお金の管理ができるか心配です。どうしたらよいのでしょうか。私が使えるサービスがあれば知りたいです」と話した。
Aさんが利用できるのはどれか。
1. 生活保護制度
2. 地域生活支援事業
3. 後期高齢者医療制度
4. 日常生活自立支援事業
正解:4
1. 生活保護制度
国が憲法に基づき、生活に困る人の最低限の暮らしを保障する制度です。貯金もあることから生活保護の対象とはなりません。
2. 地域生活支援事業
地域生活支援事業とは、障害のある人が地域で安心して生活できるよう、市町村などが行う支援事業です。中でも「成年後見制度利用支援事業」などは、判断能力が著しく低下している人が対象となります。
3. 後期高齢者医療制度
後期高齢者医療制度は75歳以上を対象とした医療保険制度です。金銭管理は行いません。
4. 日常生活自立支援事業
日常生活自立支援制度は、軽度の認知症などで判断力が不十分な人が、地域で安心して暮らすための支援制度です。公共料金の支払いや年金の管理、福祉サービスの手続きなど、日常の金銭管理を中心にサポートします。成年後見制度ほどの支援は必要ないけれど、一部手助けがあれば自立できる人に適しています。今回の事例では軽度認知症とあり、お金の管理を心配しているので正解となります。
日常生活自立支援事業のサービス内容で正しいのはどれか。2つ選べ。
1. 住民票の届出
2. 福祉用具の貸与
3. 入院時の身元保証
4. 自家用車の売買契約
5. 銀行口座から現金の引き出し
正解:1・5
1. 住民票の届出
「行政手続きの支援」に含まれます。住民票や年金、医療・福祉サービスに関する届出など、本人に代わって支援員が手続きのサポートを行います。
2. 福祉用具の貸与
これは介護保険制度によるサービスであり、日常生活自立支援事業ではありません。
3. 入院時の身元保証
身元保証はこの制度では対応していません。判断能力の問題がある場合、必要に応じて成年後見制度の検討がなされます。
4. 自家用車の売買契約
高額な財産取引は支援の対象外です。
5. 銀行口座から現金の引き出し
日常的な金銭管理の支援にあたり、本人と一緒に銀行へ行ってお金を引き出したり、生活費の管理を支援することができます。
日常生活自立支援事業のまとめ
日常生活自立支援制度は、判断力が不十分な方が地域で安心して生活できるよう支援を行う制度です。
サービス内容は、福祉サービスの利用支援、日常的金銭管理、書類等の預かりサービスです。
地域生活支援事業や成年後見制度とは対象や支援の範囲が異なるため、それぞれの違いをしっかり理解しておくことが大切です。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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