看護学生に年金保険制度を説明するとき、

20歳以上の看護学生は年金保険制度の保険料を納付してるよ

え?そんなの払ってないけど。払わないともらえないの?
こんなやり取りをよくするのですが、義務なのでちゃんと何かしらの方法で納付しているはずなんです。
全然パッとしない看護学生は年金制度について、基礎的な内容は理解しておきましょう。
看護師国家試験でも年金保険制度は問われています。
この記事では、年金保険制度の基礎的な内容を徹底解説しています。記事の最後には、過去問があるので理解度チェックしてみましょう。
看護師国試で問われる年金保険制度とは?
年金保険制度とは、自分や家族の高齢化・障害・死亡などの要因で自立した生活が困難になったとき、社会全体で備えて助け合う仕組みです。
20歳以上60歳未満のすべての国民に年金保険の加入が義務付けられています。
つまり、20歳以上の国民全員が加入する国民皆保険制度なのです。
人生100年時代と言われるようになり、長期化する老後生活を安定させるために、年金保険制度の需要は高まっています。
年金保険制度の種類は2つ
年金保険制度は、「国民年金」と「厚生年金」の二階建て構造になっています。
被保険者は次のように分類され、
- 第1号被保険者:自営業やフリーターなど
- 第2号被保険者:会社員や公務員など
- 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養されている人

第1号と第3号被保険者は国民年金のみ受け取り、第2号被保険者は国民年金と厚生年金を受け取ります。
厚生年金に加入していない第1号被保険者は、受け取る金額が少なくなります。
そこで、任意加入できる「付加年金」「国民年金基金」「確定拠出年金」などの制度が存在します。
また、iDeCoや個人年金保険など知っておきたい情報は山ほどありますが、今回は基礎編なのであえて触れてません。
年金保険制度の保険料納付について
年金保険制度の被保険者が第1号から第3号に分類されているのは、保険料の納付方法が異なるからです。

第1号被保険者は、自分自身で納めます。一方、第2号被保険者は、給料から天引きされています。
第3号被保険者は、第2号被保険者が加入する年金保険で負担されているため、自分自身の納付はありません。
年金保険制度の主要財源は保険料で、加入者の保険料はその時点の高齢世代の年金給付費になります。
加入者の将来の年金のために積み立てておくことはしない賦課方式を採用しています。
年金保険制度の保険料免除と猶予制度について
経済的に困難で年金保険の保険料を支払うことができない場合、保険料を免除もしくは猶予してもらえる制度があります。
保険料を滞納した場合、原則2年以内であれば追納が可能です。
しかし、保険料の免除や猶予を受けた場合、10年以内の追納が可能になります。
保険料の免除や猶予を受けれる条件は、次の通りです。

免除対象になっている生活保護受給者は、生活保護費と年金保険の同時受給が可能です。
なぜなら、国が定める最低生活費に満たない年金生活者も生活保護の対象としているからです。
支給金額は、「国が定める最低生活費」から「収入」を差し引いた額になります。
年金保険制度で給付されるのは?
年金の給付には、「老齢給付」「障害給付」「遺族給付」の3種類があります。

それぞれの給付について、重要ポイントのみ見ていきましょう。
年金保険制度① 「老齢給付」は老後の生活を支えるお金
老齢給付には、国民年金から給付される「老齢基礎年金」と厚生年金から支給される「老齢厚生年金」があります。

第1号被保険者と第3号被保険者は、国民年金にしか加入していないので、老齢基礎年金のみ受け取れます。受給資格は、10年以上の納付期間がある65歳以上です。
そして、第2号被保険者は老齢基礎年金に加えて、厚生年金に加入しているので老齢厚生年金が受け取れます。
老齢厚生年金は、老齢基礎年金の受給資格を満たし、厚生年金の納付期間があるかどうかで判断されます。
老齢年金の繰り上げ/繰り下げ受給
老齢年金は受け取り年齢を早めたり、遅めたりできます。
早めに受け取ることを繰り上げ受給と言い、遅めに受け取ることを繰り下げ受給を言います。

早く受け取る場合は60歳以上から、遅く受け取る場合は75歳まで受給期間を延長できます。
繰り上げ受給の場合は、老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に請求しなければならないので、注意しましょう。
年金保険制度② 障害給付は障害を持った人を支えるお金
障害給付は老齢給付と同様に、国民年金から給付される「障害基礎年金」と厚生年金から給付される「障害厚生年金」があります。

病気やケガによって障害が残る可能性は、高齢者だけではありません。
そのため、障害給付は加入対象期間でない年齢の方でも、障害認定を受ければ受給可能です。
障害認定は、1~3級に分類されており、数字が低いほど障害の程度が重くなっていきます。

そのうち、障害基礎年金の給付対象は1級と2級のみ。
障害厚生年金の給付対象は、1級から3級までに加えて、より軽度な障害が残る方のために「障害手当金」が支給されます。

障害厚生年金の方がより手厚い制度であることが分かりますね。
年金保険制度③ 遺族給付は家族を支えるお金
遺族給付も、老齢給付や障害給付と同様に、国民年金から給付される「遺族基礎年金」と厚生年金から給付される「遺族厚生年金」に分けられます。

遺族年金は自分が亡くなったあとに、残された家族の生活を助けるため給付制度です。
だけど、遺族給付はちょっとややこしいんです(-_-;)
遺族基礎年金は、子供のいる家庭しか受け取れない
遺族基礎年金の受給者は「18歳未満の子または18歳未満の子を持つ配偶者」とされてます。つまり、子どもがいないと受給できないんです。
そこで救済措置として「寡婦年金」か「死亡一時金」のどちらかが支給されます。

このうち、寡婦年金は名称通り「婦」にあたる女性に支給されるので、夫には支給されません。
年金保険は男女差のある保険なので、国会で議論がされており今後改変されるかもしれない。
遺族厚生年金には、遺族基礎年金をサポートする
一方、遺族厚生年金の受給者は扶養家族です。ただし、受給には優先順位があり、最も順位の高い人のみ受け取れます。

遺族厚生年金の対象者で18歳未満の子がいる人は、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受給できます。
しかし、子供が18歳を超えると遺族基礎年金が受給できなくなり、収入が減ってしまいますよね。
そこで、遺族厚生年金では「中高齢寡婦加算」と「経過的寡婦加算」で収入面をサポートします。
どういうことかというと、、、
中高齢寡婦加算とは?
例えば、妻40歳・子ども12歳の場合
子供が18歳になるまで遺族基礎年金が受け取れるので、遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類が受け取れています。
しかし、子どもが18歳を迎える遺族基礎年金がもらえなくなります。

妻は65歳以上になれば老齢基礎年金が受け取れるのですが、空白の期間は収入が減るので生活できるか不安に思いますよね。
そこで、登場するのが中高齢寡婦加算です。この空白部分の収入を補うのです。

これで収入は減らずに済みますよね。
経過的寡婦加算とは?
じゃあ、経過的寡婦加算ってなにかというと、
中高齢寡婦加算を受給していた妻は、65歳を迎えると中高齢寡婦加算が終了します。
それによる年金受給額の低下を補充的するのが経過的寡婦加算です。

ここまでくるとややこしすぎて、涙目になりそうですよね。
看護学生も納付してる年金保険のまとめ
年金保険制度とは老化・障害・死亡などの要因で生活が困難なとき、社会全体で備えて助け合う仕組みで、20歳以上のすべての国民が加入してます。
保険料納付方法によって、第1被保険者から第3被保険者に分類され、受給できる年金給付が違いましたよね。
給付内容は「老齢給付」「障害給付」「遺族給付」の3種類があり、
- 老齢給付:65歳から死亡するまで受け取る年金
- 障害給付:重い障害が残ったときに受け取る年金
- 遺族給付:受給者が死亡したときに遺族が受け取る年金
受給対象者や受給内容が異なるので確認しておきましょう。
看護師国試に出題された介護保険制度に関する問題を解いてみよう!(全1問)
それでは、確認問題を解いていきましょう。
と言っても、看護師国家試験で問われた年金保険問題は、次の1問だけです。
公的年金制度について正しいのはどれか。
1. 学生は申請によって納付が免除される。
2. 生活保護を受けると支給が停止される。
3. 保険料が主要財源である。
4. 任意加入である。
5. 積立方式である。
1. 学生は申請によって納付が免除される。
国民は誰でも20歳になったときから国民年金の被保険者となり、保険料の納付が義務となる。学生については、申請により在学中の保険料の納付が猶予される学生納付特例制度がある。免除ではなく猶予であることに注意する。
2. 生活保護を受けると支給が停止される。
年金等の収入がある場合、厚生労働大臣が定める基準で計算される最低生活費から収入を引いた差額が保護費として給付される。支給は停止されない。
3. 保険料が主要財源である。
保険料、国庫負担、積立金が主要財源である。令和2年(2020年)の国民年金の収支決算では保険料が財源の約36%、厚生年金では保険料が財源の約66%を占める。
4. 任意加入である。
公的年金は、20歳以上の国民全員が加入する保険なので任意ではなく、強制的に加入することになる。
5. 積立方式である。
日本の公的年金は賦課方式である。賦課方式は加入者の保険料はその時点の高齢世代の年金給付費になり、加入者の将来の年金のために積み立てておくことはしない方法である。
この記事では、年金保険制度の基礎的な内容を解説してきました。
問題を解く限り、そこまで細かい内が問われるとは思いません。しかし、年金保険制度は自分の人生に関わる社会保険制度です。
そのため、試験に関係なく覚えておきたい制度のひとつでしょう。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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