「成年後見制度はどこを覚えればよいかわからない…」と悩んでいませんか?
この記事では、看護学生が知っておきたい重要ポイントを国家試験の出題傾向に沿ってわかりやすく解説します!
- 成年後見制度の全体像がつかめていない
- 看護師国家試験で問われやすいポイントを効率よく押さえたい
- 時間をかけずに得点につながる内容を確認したい
「成年後見制度」は出題頻度こそ高くありませんが、ポイントを押さえるだけで得点源になります。
試験対策として、出題されやすい部分だけをギュッと厳選して解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
成年後見制度とは
成年後見制度とは、認知症、知的障害、精神障害などにより判断能力が不十分な人の権利と生活を守るための制度です。
- 介護サービスや施設入所の契約
- 不動産や預貯金などの財産管理
- 遺産分割の協議 など
判断能力が十分でないと、上記のような事柄を自分で適切に決めることが難しくなります。
場合によっては、不利益な契約を結んでしまい、悪質商法の被害にあうおそれもあります。
成年後見制度は、そのような人々を保護し、日常生活や財産管理を支援するための仕組みです。

成年後見制度は、介護サービスの契約が難しい判断能力の低下した利用者を支援するために、2000年の介護保険制度開始と同時に創設されたんだ!
成年後見制度の種類は2つ
成年後見制度には、次の2つの種類があります。
- 将来の判断力低下に備えて、事前に後見人を決めておく「任意後見制度」
- すでに判断能力が低下している人に後見人を決める「法定後見制度」

それぞれ出題される内容と覚えておくべきポイントを見ていきましょう!
任意後見制度
任意後見制度は、将来の判断力低下に備えて、支援してもらう人や支援の内容を自分であらかじめ決めておける制度です。
高齢になると、次のような不安を抱える方がいます。
- 将来、認知症になったときに銀行の手続きや施設の入所手続きができるか不安。
- 入院時の手続きや支払いを頼める身内がいない。
- アパートの解約や、土地の売却が必要になったとき、自分で対応できるか心配。
このように、現在は判断能力に問題はないが、将来に不安を感じている人が利用できるのが任意後見制度です。
なお、任意後見制度には「将来型」「即効型」「移行型」の3種類がありますが、これらは国家試験で出題されたことはなく、覚える必要はありません。
法定後見制度
法定後見制度は、すでに判断能力が不十分になっている人を支援する制度です。
本人の状況に応じて、家庭裁判所が「後見人」「保佐人」「補助人」のいずれかを選任し、必要な支援を行います。
例えば、次のようなケースが想定されます。
- 認知症で遺産分割や介護施設との契約が自分でできないのが不安。
- 植物状態で、生命保険金の受け取りや財産管理ができず困っている。
- 精神疾患の子の後見を一人で続けられるか不安 など
このように、本人自身が支援を依頼できない状態の場合に、家族などが家庭裁判所へ申し立てを行い、必要な支援体制が整えられます。

原則、法定後見人は取消権があって、本人にとって不利益な契約と取り消すことができるよ。だけど、任意後見制度では取消権は認められてないんだ。ここも覚えておくといいかも!
成年後見制度の利用促進は「地域生活自立支援事業」の一つ
地域生活支援事業は、「障害者総合支援法」に基づく制度です。
この制度の目的は、障害者や障害児が個人としての尊厳を保ちながら、地域で安心して生活できるように支援することです。
この事業を実施するのは、都道府県、市町村、指定都市、中核市です。
各自治体は、地域の特性や利用者の状況に応じて、柔軟な方法で事業を展開します。
地域生活支援事業には、いくつかの種類があります。
そのうちの一つに、「成年後見制度利用支援事業」があります。
この事業では、判断能力が不十分な人が、成年後見制度を利用できるように支援します。
成年後見制度と日常生活自立支援事業の違い
日常生活自立支援事業は、「社会福祉法」に基づく制度です。
判断能力が不十分な高齢者や障害者が、地域で安心して自立した生活を送れるよう”社会福祉協議会”が本人との契約を行い支援を行います。

成年後見制度も判断能力が不十分な人が対象だったよね?じゃあ、日常生活自立支援事業と何が違うの?
成年後見制度と日常生活自立支援事業の違いを表にまとめました。

成年後見制度とは別の制度だから違いをしっかり覚えておこう!

「地域生活自立支援事業」と名前が似ていて混同しやすいから、引っかけ問題にも注意してね!
成年後見制度に関する看護師国家試験の問題を解いてみよう!
成年後見制度で正しいのはどれか。
1. 法定後見人は、都道府県知事が選任する。
2. 任意後見人とは、家族が後見人になる場合を指す。
3. 成年後見人は、財産管理などの法律行為を支援する。
4. 日常生活自立支援事業の一部として位置づけられる。
正解:3
1. 法定後見人は、都道府県知事が選任する。
法定後見人は、家庭裁判所が選任します。都道府県知事ではありません。
2. 任意後見人とは、家族が後見人になる場合を指す。
任意後見人は、本人があらかじめ後見人を決めておく制度です。家族だけでなく、親戚、友人、弁護士など自分が信頼できる人に頼むことができます。
3. 成年後見人は、財産管理などの法律行為を支援する。
成年後見人は財産管理や処分などの法律行為などの支援をする。また、日常生活の買い物などを除いて本人の行った取引を取り消すことができる。
4. 日常生活自立支援事業の一部として位置づけられる。
日常生活自立支援事業は、社会福祉協議会が本人の意思を尊重し、契約で福祉サービスや金銭管理を支援する福祉制度です。成年後見制度は、家庭裁判所が後見人を選び、本人の権利や財産を法的に守る司法制度です。別の制度と覚えてください。
成年後見制度で正しいのはどれか。
1. 任意後見人は裁判所が決定する。
2. 認知症の診断と同時に成年後見制度が適用される。
3. 日常生活自立支援事業の一部として位置付けられる。
4. 成年後見人は財産管理などの手続きを本人の代理で行う。
正解:4
1. 任意後見人は裁判所が決定する。
”任意”後見人は、判断力が低下する前にあらかじめ自分で後見人を決めておく制度でしたね。家庭裁判所が後見人を決める制度は「法定後見人」です。
2. 認知症の診断と同時に成年後見制度が適用される。
成年後見制度のひとつ「任意後見制度」は、判断力が低下する前に後見人を決めておく制度です。なので、認知症と診断されてから適用される制度ではありません。
3. 日常生活自立支援事業の一部として位置付けられる。
日常生活自立支援事業は、社会福祉協議会が本人の意思に基づき福祉サービスや金銭管理を契約で支援する福祉制度です。一方、成年後見制度は、本人や家庭裁判所が後見人等を選び、権利や財産を法的に代理・保護する司法制度です。別物と覚えておきましょう。
4. 成年後見人は財産管理などの手続きを本人の代理で行う。
成年後見制度とは、判断能力が不十分な人の権利と生活を守るための制度で、財産管理や不利益な契約の解除などを行います。
成年後見制度で正しいのはどれか。
1. 地域生活支援事業の1つとして位置付けられる。
2. 後見の対象者は大体のことを自分で判断できる者である。
3. 審判を受けるための申し立て先は社会福祉協議会である。
4. 法定後見制度とは判断能力の低下に備えあらかじめ後見人を決めておくことである。
正解:1
1. 地域生活支援事業の1つとして位置付けられる。
地域生活支援事業は障害者総合支援法によって定められています。事業内容のひとつに「成年後見制度利用支援事業」があります。
2. 後見の対象者は大体のことを自分で判断できる者である。
後見は判断力が低下している者が対象です。
3. 審判を受けるための申し立て先は社会福祉協議会である。
成年後見制度における「審判」とは、家庭裁判所が成年後見人を選任するかどうかを決定する手続きです。社会福協議会ではありません。
4. 法定後見制度とは判断能力の低下に備えあらかじめ後見人を決めておくことである。
法定後見制度は、すでに判断能力が低下している人に対して後見人を定める制度です。あらかじめ後見人を決めておく制度は「任意後見制度」です。
国家試験に出る「成年後見制度」のまとめ
では、ここまでの内容をまとめておさらいしておきましょう!
- 任意後見制度は、将来の判断力低下に備え、あらかじめ支援内容や代理人を契約で定めておく制度
- 法定後見制度は、すでに判断力が低下している人に対し、家庭裁判所が選任した後見人などが法的支援を行う制度
- 成年後見制度の利用促進を地域生活自立支援事業で行っている
- 日常生活自立支援事業と成年後見制度は、対象は似ているが別の事業である
それぞれの制度は対象者や支援の方法が異なるため、混同しないことが国家試験対策のカギです。
出題されやすいポイントをしっかり整理しておけば、確実に得点につながります。
国家試験直前でもサクッと確認できるよう、要点を押さえておきましょう!
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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