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肝臓と胆汁の関係:消化器系の基礎知識

国家試験対策

胆道系の勉強をしていると似たような言葉や音で混乱しませんか?

小葉間胆管、総肝管、胆嚢管、総胆管など「ややこしくてムリ~」って感じですよね。

この記事ではイラストを豊富に使って、胆道系の解剖生理を解説していきます。

看護師国家試験に出題される範囲を重点的に解説しているので、看護学生で胆道系が苦手という方はぜひ最後までご覧ください。

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胆道系の基本:肝臓で作られる胆汁の流れ

胆道系は肝臓で作られた胆汁が流れる一連の流れです。

肝臓の肝細胞で生成された胆汁は、肝臓内の毛細胆管を通り、左肝管と右肝管に集約されます。

これらは総肝管に合流し、さらに胆嚢管を経て胆嚢に達します。

胆嚢では、胆汁の水分が吸収されて濃縮され、必要な時に再び胆嚢管を通って十二指腸に分泌されます。

胆道系は肝臓、胆嚢、胆管から成り、消化を円滑に進めるための重要な役割を担っています。

肝臓の微細構造:胆汁の生成について

肝臓の基本構造は肝小葉で、肝細胞が規則的に配列し、その間を毛細胆管が通っています。

肝門部から通ってきた門脈と固有肝動脈は肝臓内で枝分かれし、最終的に肝細胞の間を通る類洞血管に流れ込みます。

ここで酸素や栄養分、ビリルビンが肝細胞に吸収されるのです。

類洞は肝小葉の中心方向に流れ、中心静脈に注がれ、中心静脈は集まり肝静脈となり、下大静脈を経て心臓に戻ります。

肝小葉の外側には、門脈の枝(小葉間静脈)と固有肝動脈の枝(小葉間動脈)が走行し、これらの血管と共に胆汁を運ぶ胆管の枝(小葉間胆管)が通る部分をグリソン鞘と呼びます。

胆汁は肝細胞で作られ、毛細胆管を通って小葉間胆管に集まり、肝門部へ向かうのです。

門脈と肝動脈は肝門部から肝臓内へ向かう一方、胆管は肝臓内から肝門部へ出ていきますが、これら三本は肝臓内で並行して走行しています。

ビリルビンの代謝:肝臓でのグルクロン酸抱合とは?

胆汁の成分の一つには、ビリルビンです。

古くなった赤血球が脾臓で破壊され、ヘモグロビンが生成されます。

ヘモグロビンはヘムという鉄を含む部分とグロビンというタンパク質で構成され、ビリルビンはヘムの分解によって間接ビリルビンが生じます。

間接ビリルビンは肝臓でグルクロン酸と結合し、抱合型ビリルビンとなります。抱合型ビリルビンは直接ビリルビンとも呼ばれています。

ここで、ビリルビンはグルクロン酸と結合し、水溶性となります。これをグルクロン酸抱合と呼び、これによりビリルビンは胆汁として排出されます。

便の色が黄みを帯びた茶色になるのは、このビリルビンが便内に含まれているからです。

胆汁の分泌調節:オッディ括約筋とコレシストキニンの関係

肝臓で作られた胆汁がそのまま十二指腸に流れると、食べ物があるときもないときも、胆汁を使ってしまい、効率が悪いですよね。

そこで、胆嚢に貯めておいて、必要なときに十二指腸に分泌できるような構造をしています。

総胆管から十二指腸への出口は、乳頭状の膨らみになっていて、そのてっぺんにある穴から胆汁が分泌されます。

この膨らみを大十二指腸乳頭ファーター乳頭)とよびます。

なぜ、膨らんでいるのかというと、オッディ括約筋という、リング状に総胆管を取り巻く平滑筋があるからです。

胆汁の分泌はオッディ括約筋によって調節されています。

食事を摂取すると、十二指腸に脂肪やタンパク質が到達し、コレシストキニンというホルモンが分泌されます。

コレシストキニンとは?

コレシストキニンを「パンクレオチミン」とも呼びます。別々に発見されたたのですが、のちに同じ物質と分かりました。コレシストキニンの方が、現在ではよく使われます。コレシストキニンには2つの作用があり、一つは胆嚢を収縮させてオッディ括約筋を弛緩させ、十二指腸への胆汁排出を促すことです。もう一つは、消化酵素を含む膵液の分泌を促すことです。

コレシストキニンはオッディ括約筋を弛緩させ、胆汁が十二指腸に流れ込むことを可能にします。

これにより、脂肪の消化が効率よく進むのです。

胆嚢の役割:胆汁の濃縮と貯蔵のメカニズム

胆嚢は胆汁の濃縮と貯蔵を行う重要な器官です。

肝臓から送られてきた胆汁は胆嚢に貯蔵され、その間に水分が吸収されて濃縮されます。

この濃縮された胆汁は、食事の際に必要に応じて再び胆嚢管を通って十二指腸に分泌され、脂肪の消化を助けます。

胆嚢は、効率的な消化を支えるために胆汁を適切に管理する役割を担っています。

胆嚢摘出手術後の影響:胆汁の流れと消化の変化

さて、胆嚢を病気で除去することがあります。

胆汁を濃縮する役割と、胆汁を溜めておく役割がある胆嚢は、効率よく脂肪の消化に役立つ臓器です。

切除して大丈夫なのでしょうか?

結論、問題ありません。

胆嚢で濃縮できなくなるだけなので、濃度の薄い胆汁が十二指腸に流れることになります。

胆汁は脂肪を乳化し、消化酵素が働きやすい形にする役割があります。

濃度が薄くなっても、胆汁には乳化作用がありますので、脂肪の消化には困らないのです。

胆汁の消化作用:脂肪分解を助ける仕組み

胆汁は脂肪の分解において重要な役割を果たします。

胆汁には胆汁酸が含まれており、これが脂肪を乳化します。乳化された脂肪は、リパーゼという消化酵素によって分解されやすくなります。

これにより、脂肪の消化と吸収が効率よく進みます。胆汁が適切に分泌されることで、脂肪の消化がスムーズに行われるのです。

胆道系の健康チェック:黄疸と便の色の異常を見逃さない方法

胆道系の異常をチェックする際には、黄疸と便の色の変化に注目することが重要です。

ビリルビンが混ざっていないと便が白くなったり、排出されず体内に残ったビリルビンが皮膚や眼球結膜を黄色くします。

皮膚や眼球結膜などが黄色くなることを黄疸と言います。

黄疸を早期発見するには、眼球結膜が一番観察しやすいので必ず胆道系に以上のある患者さんは、必ずチェックしましょう。

これらの症状は、胆汁の流れが阻害されていることを示しており、日常の観察で異常に気づくことが重要です。

消化器系の総まとめ:肝臓、胆嚢、胆道系の働きと重要性

消化器系は、肝臓、胆嚢、胆道系が協力して働くことで、食物の消化と栄養の吸収を効率的に行います。

肝臓で生成された胆汁は胆嚢で濃縮され、必要な時に十二指腸に分泌されます。これにより、脂肪の分解と吸収が促進されます。

胆道系に異常があると、胆汁が排出されず便が白くなったり、眼球が黄色くなったりするので、しっかりと観察を行いましょう。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

最後に知識の確認として、看護師国家試験の問題を解いてみましょう。

胆道系の知識が定着したか看護師国試で確認しよう!

第107回 午前11問

1. 胆汁の貯蔵
胆汁は肝臓でつくられるが、貯蔵するのは胆囊である。


2. 脂肪の吸収
脂肪の吸収は小腸で行われる。胆汁酸の乳化作用は、消化酵素による分解を助ける。


3. ホルモンの代謝
役目を終えたホルモンは肝臓で不活化されて代謝される。


4. 血漿蛋白質の分解
肝臓はγグロブリン以外の血漿蛋白質を産生するが分解はしない。血液中の主な蛋白質であるアルブミンは皮膚や筋肉などで分解される。

第112回 午後13問

1. 球状の細胞である。
赤血球は核がないので、中央がくぼんだ円板状になっている。


2. 腎臓で破壊される。
赤血球は脾臓と肝臓で破壊される。


3. 寿命は約60日である。
赤血球の寿命は約120日である。


4. 酸素の輸送を担っている。
赤血球中のヘモグロビンが酸素と結合することで酸素の運搬を行っている。

第103回 午前12問

1. 歯
歯で黄染は確認されない。


2. 毛 髪
毛髪で黄染は確認されない。


3. 爪 床
爪床も黄染されるが爪があるため、観察しやすさでは眼球結膜に劣る。


4. 眼球結膜
黄疸を確認しやすいのは皮膚や粘膜であり、指でめくることができ白い粘膜である眼球結膜が最も見やすい。

第111回 午前12問

1. 胃
胃では、胃液分泌と蠕動運動により十二指腸へと食べ物を送る。


2. 肝 臓
肝臓は、有害物質を無毒化し排泄する。


3. 膵 臓
膵臓は膵液の分泌による外分泌機能とインスリンとグルカゴンの分泌による内分泌機能をもつ。


4. 大 腸
大腸は水分と一部の電解質・ビタミンを吸収し、蠕動運動で内容物を運搬し、便として排出する。

第108回 午前12問

1. 殺 菌
胆汁に殺菌作用はない。


2. 脂肪の乳化
胆汁酸は脂肪を乳化させて、消化酵素が働きやすい形に整える作用がある。


3. 蛋白質の分解
胆汁は消化酵素ではないため蛋白質の分解はしない。


4. 炭水化物の分解
胆汁は消化酵素ではないため炭水化物の分解はしない。

第102回 午前27問

1. 胆汁酸塩
胆汁酸塩は、肝臓でつくられる胆汁の主成分。脂肪の乳化に働く。


2. トリプシン
トリプシンは、膵液中に含まれるトリプシノゲンが活性化された酵素で、蛋白質を分解する。


3. ビリルビン
ビリルビンは、赤血球中のヘモグロビンが分解した産物である。


4. リパーゼ
リパーゼは、膵液中に含まれる脂肪分解酵素で、胆汁酸塩によって乳化された脂肪を分解・消化する。

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