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訪問看護に関する制度について正しいのはどれか【看護師国家試験】

国家試験対策

第103回看護師国家試験の午前73問で出題された訪問看護に関する問題を解説していきます。

第103回 午前73問

1. 平成12年(2000年)に老人訪問看護制度が創設された。
平成3年(1991年)に老人訪問看護制度が創設され、翌年の1992年に始まった。2000年に介護保険による訪問看護が開始となった。


2. サービスを開始するときに書面による契約は不要である。
訪問看護を開始するときには、契約書を書面で交わす必要がある。


3. 訪問看護ステーションの管理者は医師もしくは看護師と定められている。
訪問看護ステーションの管理者は保健師・助産師・看護師である。ただし、介護保険のみの事業所は、保健師・看護師と規定されている。


4. 介護保険法に基づく訪問看護ステーションの開設には都道府県の指定が必要である。
都道府県知事等の指定が必要である。

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老人訪問看護制度は1991年に創設された

1991年(平成3年)に老人保健法の改正により「老人訪問看護制度」が創設され、翌年の1992年(平成4年)に寝たきり高齢者に訪問看護が開始されました。

その後、1994年(平成6年)に健康保険法の改正により、全年齢の在宅療養者に対して訪問看護が提供できるようになります。

しかし、時代が進むとともに高齢化社会に突入。寝たきりや認知症など介護を必要とする高齢者の増加、介護期間の長期化などにより介護のニーズが増加しました。

今後も進行する高齢化社会に対応すべく、2000年に介護保険が創設され、介護保険での訪問看護が導入されました。

2008年には、老人保健法が「高齢者の医療の確保に関する法律」へと全面改正され、後期高齢者医療制度が誕生しました。

訪問看護を開始するには書面での契約が必要

「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準」には、次のような記載があります。

基準第5条は、利用者に対し適切な指定訪問看護を提供するため、その提供の開始に際し、あらかじめ、利用申込者又はその家族等に対し、運営規程の概要、看護師等の勤務の体制その他の利用申込者が指定訪問看護を選択するに当たっての重要事項を記載した文書を交付し説明し、提供の開始についての同意を得なければならないこととしたものであること。なお、当該同意については、利用者及び指定訪問看護事業者双方の保護の立場から書面によって確認することが望ましいものであること。

厚生労働省:指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準(令和2年3月5日)

上記内容から分かる通り、訪問看護を利用するときは重要事項説明書を交付・説明をして、同意を得なければならないと書かれています。

また、利用者とのトラブル回避のため、書面による確認が望ましいとされています。

訪問看護ステーションの管理者について

訪問看護ステーションの管理者は、医療保険と介護保険で少し異なります。

「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準」には、次のように書かれています。

①基準第3条第1項の規定により指定訪問看護ステーションに置くべき管理者は、当該指定訪問看護ステーションに専従、かつ、常勤の者でなければならないこととし、例えば、同時に他の指定訪問看護ステーション等を管理することは認められないものであること。

②管理者は管理者としてふさわしいと認められる保健師、助産師又は看護師であって、次のいずれにも該当しない者でなければならないものであること。

イ 保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)第14条第1項の規定により保健師、助産師又は看護師の業務の停止を命ぜられ、業務停止の期間終了後5年を経過しない者

ロ 健康保険法第91条又は94条の規定により、指定訪問看護ステーションの管理者として変更の指導を受け、変更された後5年を経過しない者又は取消処分を受けた訪問看護ステーションの当該管理者(ただし、取消処分が当該管理者の責務に関わる場合に限る。)であって、取消日後5年を経過しない者

厚生労働省:指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準(令和2年3月5日)

つまり、医療保険の場合、常勤で働く保健師・助産師・看護師で業務停止や変更・取り消し処分を受けていない者が管理者になれます。

一方、介護保険の場合、「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」で次のように記載されています。

指定訪問看護事業者は、指定訪問看護ステーションごとに専らその職務に従事する常勤の管理者を置かなければならない。ただし、指定訪問看護ステーションの管理上支障がない場合は、当該指定訪問看護ステーションの他の職務に従事し、又は他の事業所、施設等の職務に従事することができるものとする。


2 指定訪問看護ステーションの管理者は、保健師又は看護師でなければならない。ただし、やむを得ない理由がある場合は、この限りでない。

3 指定訪問看護ステーションの管理者は、適切な指定訪問看護を行うために必要な知識及び技能を有する者でなければならない。

e-GOV:指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準

上記内容から分かる通り、常勤で働く保健師または看護師でなければ管理者になることはできません。

介護保険での訪問看護は都道府県知事からの許可が必要

訪問看護事業所が、健康保険を使った訪問看護事業を行うには、あらかじめ地方厚生局長による指定を受ける必要があります

一方、介護保険での訪問看護事業をする場合は、都道府県知事による指定居宅サービス事業者・指定介護予防サービス事業者の指定を受けなければいけません。

その場合、健康保険法に基づく指定訪問看護事業者の指定もなされてことになるので、医療保険での介入は申請なしでも大丈夫です。

「根拠を知りたいよ!」という学生さんは、「指定訪問看護の事業を行う事業所に係る健康保険法第 88 条第1項の規定に基づく指定等の取扱いについて」の第一、第二を参照してください。

ただ、読むのは大変ですので、上記内容を知っておけば看護師国家試験に出題されても十分に対応できます。

訪問看護に関する制度のまとめ

訪問看護に関する問題は、法律が関係しているので難しく感じますよね。

しかし、看護学生が苦手と感じる分野だからこそ、頻出して問われる内容です。

根拠がしっかりと分かれば、社会保障制度関連はそこまで難しくはありません。苦手意識をなくして、積極的に取り組んでいきましょう。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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