「褥瘡の好発部位が全然覚えられない。記憶に残る覚え方はない?」
「語呂合わせで暗記してみたけど、頭に入ってこない!」
というように悩んでいる看護学生は多いのではないでしょうか?
褥瘡の好発部位に関する問題は看護師国家試験で問われますが、部位名が覚えられず選択肢を見ても正解が分かりにくいですよね。
この記事では、褥瘡好発部位の覚え方と褥瘡発生理由について詳しく解説していきます。
難しい言葉を覚えるのが苦手な看護学生やイメージしづらい看護学生に向けてイラストを豊富に用意しています。
ぜひ最後までご覧ください。
褥瘡好発部位はどこ?
結論から申し上げると、褥瘡の好発部位は「骨突出部」です。
骨が突き出している部分は、寝ているときに体圧がかかり、皮膚の循環障害が起こります。
そのため、どこの骨が突き出していて、どんな姿勢をとるとその突き出している骨が寝具と接触するのかをイメージして考えられるようになるのが重要です。
語呂合わせで暗記しても良いのですが、臨床に出てからは使えない知識となってしまう可能性があります。
試験だけでなく、看護師として臨床に出てからも使える知識になるように覚えていきましょう。
褥瘡好発部位の覚え方は?
では、一体どうやったら暗記できるのでしょうか?
とても簡単な方法は、自分で実際にやってみることです。布団に寝っ転がりながら、解剖の教科書を開いて、骨突出部を触り、
「ここが当たるのか?確かに痛いな。」
「どうやったら骨突出が当たらない姿勢になるのかな」
など、普段意識していないことを確認していくと自然と頭に入ってきます。
一度、横になって自分の身体で確かめてみましょう!もし、近くに教科書がなければ、この記事を見ながらやってみましょう。
仰臥位のとき褥瘡好発部位はどこか?

仰臥位になったときの褥瘡好発部位は、次の5カ所です。
- 後頭部
- 肩甲骨部
- 肘部
- 仙骨部
- 踵骨部
仰向けに寝ると、これら骨突出部が触れるのが分かると思います。
このうち、仙骨部と踵骨部は褥瘡発生率が高く、定期的な除圧と観察が必要です。
後頭部が褥瘡好発部位なのは、外後頭隆起があるから

後頭部に触ると、ポコッと膨らんでいるところがありませんか?
その部分が「外後頭突起」です。
女性の方が少ないみたいですが、最近はスマホによる外骨頭突起の形状変化が指摘されているので、触れると感じる人は多いのではないでしょうか?
この部分は、髪の毛に隠れていて皮膚の状態の確認が他と比べて難しいので、発見が遅れないように注意しましょう。
仰臥位では肩甲棘が褥瘡好発部位

仰臥位になると、肩甲骨でも特に突き出している「肩甲棘」に圧がかかりやすくなります。
片方の手で反対の肩に手を当て、後ろ側にポコッと突き出している場所がありませんか?
見つかったらそこが「肩甲棘」です。横に伸びて突き出しているので、見つけやすいと思います。
患者さんにも体位変換後、手を下から肩付近に入れて確認してみましょう。
仰臥位になって肘を曲げると肘頭が圧迫される

仰臥位になって肘を曲げると、尺骨と上腕骨をつなぐ「肘頭」が突き出し圧迫を受けます。
肘を曲げてみて、さわると突き出しているのがすぐわかると思います。
腕が動かせる患者さんの場合には、長時間の圧迫はまず起こらないのですが、上肢が動かせない疾患の場合には注意が必要です。
仰臥位での仙骨は広範囲の褥瘡を発生させる

仙骨は上半身と下半身をつなぐ部分で、身体の中央に位置しており、脊柱の土台になる重要な骨です。
腰のあたりを触ると、広範囲に固い部分があると感じるのではないでしょうか?
仙骨は大きい骨であり、体表に近い部分にあるので長時間の圧迫を受けやすく、腰の広範囲に褥瘡が発生してしまいます。
しっかりと除圧されていること、定期的な体位変換を行うことを徹底して褥瘡を予防していきましょう。
仰臥位では踵骨にも注意が必要

最後の仰臥位での注意ポイントは「かかと」です。踵は踵骨で出来ており、丸みを帯びた構造をしています。
歩行時の衝撃を吸収する役割があり、立位時には体重の約8割の圧力がかかっていると言われています。
自分で触ってみると、すぐにわかると思います。
踵骨部は仙骨部に次いで褥瘡が発生しやすい部位なので、しっかりと褥瘡対策を行いましょう。
側臥位のとき褥瘡好発部位はどこか?

側臥位になったときの褥瘡好発部位は、次の7カ所です。
- 耳介部
- 肩峰部
- 肘部
- 腸骨部
- 大転子部
- 膝関節外側部
- 足関節外果部
横になって寝ると、これら骨突出部が触れるのが分かると思います。
このうち、腸骨部と大転子部、足間接外果部は褥瘡発生率が高く、定期的な除圧と観察が必要です。
耳介部は褥瘡好発部位だが見落としやすい

耳介は軟骨で出来ており、皮膚も薄いため圧迫による循環障害を受けやすい部位です。
体表にあり観察しやすいのですが、身体の下になってしまうと確認しづらくなってしまい、つい確認をおろそかにしてしまう部位でもあります。
また、意識していないと見落としやすいので、しっかりと褥瘡の有無を確認しましょう。
褥瘡好発部位の「肩峰部」も要注意

肩峰部は、肩甲骨の肩甲棘を外側に向かってなぞっていくと触れられる場所です。
側臥位になると、肩峰が下になり皮膚を圧迫してしまいます。
こちらは身体の下にあって、洋服を脱がないと確認ができないので発見が遅れやすいので、注意して観察を行う必要があります。
腸骨部は側臥位で最も褥瘡ができやすい

腸骨は左右に突き出している骨で、腰に手を当てるとすぐに確認できます。
骨盤最大の骨で、でっぱりが強いので、側臥位になると布団と接している感覚が一番わかりやすいと思います。
側臥位で最も圧がかかりやすい部位なので、定期的な除圧を行いましょう。また、体圧測定ができるなら、測定をして圧がかからない寝具を選択しましょう。
大転子部も要注意の褥瘡好発部位

大転子は、大腿骨の骨頭の反対側にある突起部を指します。太ももの付け根外側を触るとポコッと出ているのが分かると思います。
こちらも側臥位になると圧迫を受けやすい場所なので、腸骨と一緒に定期的な除圧と体圧測定を行いましょう。
膝関節外側部はいろんな骨で出来ている

膝関節外側部は、大腿骨と腓骨、脛骨が結合してできています。
それぞれの骨の末端は突出しており、内外側両方ともに突起を作り出しています。膝を触ると外側・内側ともにポコッとしているのが分かると思います。
側臥位になると膝の外側が圧迫されて、皮膚の循環障害が起きやすいので観察をしっかり行いましょう。
足関節外下部はくるぶしのこと

足関節外下部とは、くるぶしのことです。くるぶしは見てわかる通りポコッとしていますよね。
外側はの突起は、腓骨末端が飛び出しています。ちなみに内側の突起は、脛骨の末端による突起です。
脛骨と腓骨どちらの骨か混乱しやすいので、意識して触ってみてください。
- 外果=腓骨
- 内果=脛骨
外果が最も布団に接しやすく、圧迫を受けやすいです。また、足が動かせるとズレによるダメージも受けやすいので、姿勢だけでなく可動域の確認もしておきましょう。
座位のとき褥瘡好発部位はどこか?

側臥位になったときの褥瘡好発部位は、次の2カ所です。
- 背部
- 尾骨部
イスなどに座ると、これら骨突出部が触れるのが分かると思います。
このうち、尾骨は褥瘡発生率が高く、定期的な除圧と観察が必要です。また、座る姿勢に注意が必要です。
尾骨部はしっぽの名残

座位になるときは、座骨で体を支えます。その際、尾骨が圧迫されて褥瘡が発生しやすくなります。
しっかり座っていると、徐々に尾骨部に痛みが生じるので定期的にお尻を浮かせて除圧をしましょう。
尾骨に褥瘡ができると、痛みで座るのをためらい活動の幅が狭くなりADLが落ちてしまうので、注意が必要です。
仙骨座りには要注意

車いすに乗っている人で、姿勢がずれて仙骨座りになっている患者さんをよく見かけます。
椅子に浅く腰を掛けて、背もたれによりかかってみてください。最初はとても楽に感じるかもしれません。
しかし、時間とともに腰と背中が痛くなり、長く座っていられないと思います。
見かけたらしっかりと姿勢を整えるように心がけましょう。
褥瘡好発部位に関する看護師国試の過去問を解いてみよう!
仰臥位での褥瘡好発部位はどれか。
1. 仙骨部
2. 内顆部
3. 腸骨稜部
4. 大転子部
1. 仙骨部
仰臥位では背側が基底面となるため、仙骨部に褥瘡ができやすい。後頭部、肩甲骨部、踵骨部などにも褥瘡ができやすい。
2. 内顆部
内顆(うちくるぶし)部は、「側臥位」の褥瘡好発部位です。
3. 腸骨稜部
腸骨稜部は、「側臥位」の褥瘡好発部位です。
4. 大転子部
大転子部は、「側臥位」の褥瘡好発部位です。
仰臥位における褥瘡の好発部位はどれか。
1. 踵骨部
2. 内顆部
3. 膝関節部
4. 大転子部
1. 踵骨部
仰臥位では、踵骨部にできやすいです。他に後頭部、肩甲骨部、仙骨部に褥瘡ができやすいです。
2. 内顆部
内顆部は、側臥位で褥瘡ができやすい。
3. 膝関節部
膝関節部は、腹臥位や側臥位で褥瘡ができやすい。
4. 大転子部
大転子部は、側臥位で褥瘡ができやすい。
側臥位における褥瘡の好発部位はどれか。
1. 後頭部
2. 耳介部
3. 仙骨部
4. 肩甲骨部
1. 後頭部
後頭部は、仰臥位で褥瘡ができやすいにできやすい。
2. 耳介部
耳介部は、側臥位で褥瘡ができやすい。他に肩峰部、肘部、腸骨部、大転子部、膝関節外側部、足関節外果部にできやすい。
3. 仙骨部
仙骨部は、仰臥位で褥瘡ができやすい。
4. 肩甲骨部
肩甲骨部は、仰臥位で褥瘡ができやすい。肩峰部と混乱しないようにしよう。
褥瘡好発部位の覚え方まとめ
褥瘡好発部位は、骨が突出している部位です。そのため、自分で触ったり、横になって確かめながら覚えていくのが最も効率よい覚え方です。
どの骨が皮膚表面に近いのか見ていくと、突起している部位の皮膚が薄いことに気づくと思います。
皮膚が薄いほど圧迫によって、血液の循環障害が起きやすいので、褥瘡発生率が上がります。
理屈が分かれば、あとは部位名を覚えるだけ。必修問題に出題される内容なのでしっかりと覚えましょう。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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