血糖コントロールの基礎を本当に理解していますか?
看護師国家試験で合格するためには、血糖の管理の知識が必要不可欠です。
このブログ記事では、血糖コントロールの基本知識をわかりやすく解説します。
これを読むことで、試験に自信を持って臨むことができ、実際の看護現場でも活用できるでしょう。
エネルギー源として重要なのは「糖質」
からだのエネルギー源は、糖質(炭水化物)・脂肪です。これらが不足するとタンパク質もエネルギー源になります。

これらは三大栄養素と呼ばれており、人間の身体には欠かせません。
このうち最も重要なのが「糖質」です。糖質は消化吸収を通して、最終的にブドウ糖(グルコース)に分解されます。
では、なぜエネルギー源として糖質が重要なのでしょうか?
糖質がエネルギー源として重要な2つの理由
糖質がエネルギー源として重要視されている理由は次の2つです。
- エネルギーにすぐ変換できる
- 脳と赤血球はブドウ糖からエネルギーを産生してる
これら2つの理由を詳しく解説していきます。
ブドウ糖はエネルギーにすぐ変換できる
筋細胞は安静にしているとき、脂肪酸(脂肪が分解された物質)をエネルギー源にします。
しかし、運動を始めると血液中のブドウ糖をたくさん取り込んで利用し、さらに筋細胞中に貯蔵しておいたグリコーゲンを使います。
なぜ、運動時にブドウ糖を使うのかというと、ブドウ糖を酸化させてエネルギーを作り出す方が、脂肪をエネルギーに変えるよりもずっと速いからです。

「今すぐにエネルギーが欲しい!」といった状態のときは、ブドウ糖が一番便利なのです。
脳と赤血球はブドウ糖からエネルギー産生している
脳と赤血球は他の細胞と違い、安静時でもブドウ糖をエネルギー源にしています。

低血糖で意識を失うのは、脳の神経細胞にブドウ糖が行き渡らないからです。
筋細胞はブドウ糖をグリコーゲンとして貯蔵できますが、神経細胞は貯蔵できません。
つまり、脳は常にブドウ糖と酸素を受け取っていないと生きていけないのです。
しかも、神経細胞はブドウ糖や酸素が無くなって細胞が死んでしまうと、再生できないと言われています。
なので、血液中の酸素濃度に加え、糖質は重要なのです。
血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度
ブドウ糖は酸素と結合して、二酸化炭素と水になります。この化学反応を起こすときにエネルギーが生まれます。
次の化学式を参照してください。化学式を覚える必要はありませんが、原理はしっかり覚えておきましょう。

この化学式から分かる通り、酸素だけあっても、ブドウ糖だけあってもダメなのです。
では、血液中にブドウ糖がどのくらいあるか知るにはどうしたらよいでしょうか?
それは、「血糖値」を測定することです。
血糖値とは、血液1dL中に含まれているブドウ糖の量を数値化して示したものです。
血糖値は上手にコントロールできている
血液中のブドウ糖は、食事や飲み物に含まれているブドウ糖から吸収されるので、何かを摂取した後は血糖値が上がります。
では、食事ができない寝ている夜間帯の血糖値は下がっていってしまうのでしょうか?
そんなことはありません。
夜間帯でも60~70mg/dLくらいの一定で保たれています。

寝ていても体の組織は活動を続けています。そのため、細胞は常にブドウ糖を必要としているのです。
食べたり飲んだりせずに、からだが一定の血糖値を保てているのは、からだにブドウ糖を蓄えるシステムがあるからです。
そのシステムをこれから詳しく見ていきましょう。
糖質は分解されて、小腸から吸収されて肝臓に流れる
食べ物や飲み物に含まれる糖質は、小腸から吸収されます。
吸収しやすくするため、消化酵素を使って糖質をもっとも小さい形である単糖類(ブドウ糖、果糖、ガラクトース)に分解します。

分解されたブドウ糖は小腸から吸収され、門脈を通って肝臓に運ばれます。
一般的な静脈は、大静脈に流れていきます。しかし、小腸に分布する静脈は「肝臓」に行きます。そして、肝臓で代謝されてから大静脈へ流れます。このように、別の場所を経由して流れる血管網を門脈と言います。
肝臓でブドウ糖の5%は肝細胞に入り、グリコーゲンという炭水化物に変わります。そして、30~40%は脂肪に変わって貯蓄されます。
肝臓を通り抜けた残りのブドウ糖は、全身をめぐり筋細胞で貯蔵されたり、ほかの細胞で使われます。

そのため、食後2時間くらいすれば元の血糖値に戻ります。
しかし、下がり続けないで一定を保っていられるのは、肝臓に蓄えられたグリコーゲンがブドウ糖に分解されるからです。
アミノ酸もブドウ糖を作り出せる
肝臓に蓄えたグリコーゲンの分解で足りないときは、アミノ酸(タンパク質)やグリセリン(脂肪)からブドウ糖を作ります。
これを「糖新生」と言います。

糖新生ができるのは、ブドウ糖もアミノ酸もグリセリンも、代謝経路が共通しているからです。
この方法によって、食事を摂らない時間があっても、一定範囲内の血糖値を維持することができています。
血糖コントロールに重要な「インスリン」の役割
ここで、血糖コントロールで重要な「インスリン」の役割を説明していきましょう。
血糖値を保つには、血液中に入る糖分と、血液から出ていく糖分のバランスが釣り合っていないといけません。
血液中の糖分を筋細胞や脂肪細胞などに取り込ませるには、膵臓から分泌される「インスリン」というホルモンが必要です。

なんらかの理由でインスリンが不足したり、細胞膜のインスリン受容体が不調だったりすると、糖分の取り込みができません。
そのため、血糖値が高くなってしまいます。
糖尿病は、血液中に糖分がたくさんあるのに、細胞で利用できない状態なのです。
さらにインスリン不足は、肝臓の糖新生を促し、糖の放出を増加させます。
なので、糖尿病では血液から出ていく糖は少なく、入ってくる分が多くなる状態になってしまうのです。
血糖値を下げるホルモンはインスリンだけ!
血液中の糖分を細胞に取り込み、血糖値を下げる働きがあるのはインスリンだけです。
インスリンが不足した場合、代わりにやってくれるホルモンはありません。
そのため、糖尿病では食事療法とインスリンの補給が治療方法です。
食事療法によって血液中に加わる糖をコントロールし、インスリンによって糖分を細胞への取り込みを促進し、肝臓での糖新生を抑制します。
血糖値を上げるホルモンは数種類ある
血糖値を下げるホルモンはインスリンだけでしたが、血糖値を上げるホルモンはいくつかあります。
成長ホルモン、副腎皮質ホルモンの糖質コルチコイド、アドレナリン、グルカゴンです。

なぜこんなに種類があるのでしょうか?
はるか昔、私たちは狩りをして食事をしていました。狩りをするには獲物と戦わなければいけません。
戦うためには筋肉を使います。筋肉をはたらかせるには、ブドウ糖が必要です。
また、必ず獲物が取れるとも限りません。安定した食事がとれないので血糖値が下がることが多かったと考えられます。
そのため、血糖値を下げるホルモンより、上げるホルモンがたくさんあった方がその時代の環境に適していたのです。
しかし、現代はいつでも食事が食べられ、過度な運動をしなくても生活ができます。そのため、血糖値が高くなってしまうのです。
まとめ
糖質がエネルギー源として重要なのは、即座にエネルギーに変換できることと、脳と赤血球が主にブドウ糖を使用できることが理由です。
また、血糖値の変動を抑え、一定に保つためにはインスリンを中心としたホルモンの働きが不可欠です。
特に、インスリンは唯一血糖値を下げることができるホルモンであり、とても重要です。
現代の生活環境では、血糖値の管理がますます重要となっています。
食事や運動、生活習慣の改善を通じて、血糖コントロールを意識的に行うことが必要です。
これにより、糖尿病などの生活習慣病の予防や管理が可能となります。
血糖管理の知識は試験対策だけでなく、患者さんの健康を守るためにも不可欠です。
この知識をしっかりと身につけ、自信を持って看護師国家試験に臨み、そして実際の現場でその知識を活用してください。
最後に看護師国家試験を解いて復習していきましょう!
看護師国試を解いて血糖コントロールの知識が身に付いたか確認しよう!
低血糖によって分泌が促進されるのはどれか。
1. アルドステロン
2. テストステロン
3. 甲状腺ホルモン
4. 副腎皮質刺激ホルモン
1. アルドステロン
アルドステロンは副腎皮質から分泌されます。腎臓に作用し、Naと水の再吸収を促進します。脱水・血圧低下・腎血流量の低下・高カリウムなどによって分泌が促進されます。
2. テストステロン
テストステロンは、95%が精巣で、残る5%は副腎で合成・分泌されています。筋肉の量と強度を保つのに必要なホルモンです。運動や性交のときに分泌が促進されます。
3. 甲状腺ホルモン
甲状腺ホルモンは、甲状腺から分泌されます。新陳代謝やエネルギー代謝を促進します。甲状腺ホルモンの血中濃度の低下、寒冷・興奮・妊娠などで分泌が促進されます。低血糖時に分泌は促進されない。
4. 副腎皮質刺激ホルモン
ストレスによって副腎皮質刺激ホルモンの分泌が促進される。
低血糖によって分泌が刺激されるのはどれか。
1. アルドステロン
2. テストステロン
3. 副腎皮質刺激ホルモン
4. 甲状腺ホルモン
1. アルドステロン
アルドステロンは副腎皮質から分泌されます。腎臓に作用し、Naと水の再吸収を促進します。脱水・血圧低下・腎血流量の低下・高カリウムなどによって分泌が促進されます。
2. テストステロン
テストステロンは、95%が精巣で、残る5%は副腎で合成・分泌されています。筋肉の量と強度を保つのに必要なホルモンです。運動や性交のときに分泌が促進されます。
3. 副腎皮質刺激ホルモン
ストレスによって副腎皮質刺激ホルモンの分泌が促進される。
4. 甲状腺ホルモン
甲状腺ホルモンは、甲状腺から分泌されます。新陳代謝やエネルギー代謝を促進します。甲状腺ホルモンの血中濃度の低下、寒冷・興奮・妊娠などで分泌が促進されます
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