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【看護師国試】公的扶助を徹底解説!生活保護を理解しよう

国家試験対策

看護師国家試験には、社会保障制度に関する問題がよく出てきますよね。

その中でも、今回は「公的扶助」について徹底解説していきます!

看護師国家試験で問われる内容は、次の通りです。

公的扶助と言えば、生活保護をイメージする方が多いと思いますが、実際は少し違います。

この記事を読めば、公的扶助への理解が深まります。そして、この記事の内容が理解できれば、過去に出題されていないような問題が出ても十分対応できるようになっています。

看護師国試の点数アップを目指している方は、ぜひ最後までご覧ください!

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公的扶助とは、生活困窮者への保障

公的扶助とは、低所得や貧困などで生活に困っている人に対して国が保障を行う社会保障制度の一つです。

低所得とは、給与から必要経費を差し引いた額が低い状態です。また、貧困とは、所得や資産が共に十分でない状態です。

このような生活困窮者は経済的に余裕がないので、節約のために消費が減少、家族関係の悪化、住環境の悪化など様々な問題が生じます。

最近では、地域での孤立による社会的入院、DV、児童虐待、ホームレス、2世代以上にわたって続く貧困などが問題になっています。

公的扶助では、貧困者対策と低所得者対策が行われている

これら問題を解決するために、公的扶助には「貧困者対策」と「低所得者対策」の2つがあります。

まず、貧困者対策として機能するのが「生活保護制度」です。

一方、低所得者対策には、次の4つがあります。

①現金給付を行う児童手当や児童扶養手当などの「社会手当制度」
②社会福祉協議会から生活に必要なお金を貸し出す「生活福祉資金貸付制度」
③住宅を提供する「公営住宅制度」
④生活困窮者の自立を支援する「生活困窮者自立支援制度」

低所得者への対策は、どれも貧困になる前にサポートを行う制度になっています。

このうち、看護師国家試験で問われるのは、生活保護制度です。

そのため、ここからは生活保護制度について詳しく見ていきましょう!

生活保護制度の目的は、最低限の生活保障と自立支援

生活保護制度は、生活保護法という法律に則って運営されています。

生活保護法を確認すると第1条には、次のように書かれています。

この法律は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。

出典:e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp

つまり、生活保護制度は、生活に困窮している全ての人に対して、憲法第25条に書かれている健康で文化的な最低限度の生活を保障するだけでなく、生活困窮者の自立を助けることを目的としています。

生活保護の原理・原則

原理・原則とは、根本となる仕組み、基本的な規則や法則の事です。

まず、生活保護の原理を見ていきましょう。

生活保護の4つの原理

生活保護制度には、次の4つの原理を定めています。

生活保護の4原理
  • 国家責任による最低限の保障の原理
  • 保護の補足性の原理
  • 保護請求権の無差別平等の原理
  • 健康で文化的な最低生活の保障の原理
看護学生
看護学生

え?何言ってるのこれ?
全然わからない!

4原理をみて、このように思った方もいるのではないでしょうか?
国から出ている文章ってなんでこんなにも解読難しいでしょうね。

ざっくりいうと、

国が責任を持って、困窮者の保障をします。生活保護制度は誰もが受けられ、最低限の生活を送れるようにしますが、使える資源があるならそれを先に使ってね。」ということです。

たとえば、家や土地などの資産を持っているなら、生活保護を使う前に、お金に換金しなければいけません。

これらは、生活保護の基本的な仕組みなので、頭の片隅に入れておきましょう。

生活保護の4原則

そして、生活保護の4原則は、次の通りです。

生活保護の4原理
  • 申請保護の原則
  • 基準および程度の原則
  • 必要即応の原則
  • 世帯単位の原則

これもざっくり訳すと、

生活保護は、基本は本人の申請があってから使える制度ですよ。生活に必要なお金をすべて保障するのは大変だから、国で定めた基準の不足分のみ補います。個人の事情を考慮するけど、必要な分は世帯単位で決定していくね。

たとえば、年金を受け取っている高齢者で生活が難しい場合

国に申請して保護者に該当すると、年金と足りない分の生活保護費が支給されます。

このように、他に制度が使えるならそれを優先的に利用して、それでも足りない分が生活保護で支給されます。

生活保護を受けるまでの流れ

生活保護が必要と感じたら、まず居住地または現在地の管轄をしている福祉事務所に相談をします。

必要書類を記入して申請すると、福祉事務所からその地区を担当しているSW(ソーシャルワーカー)が家庭訪問し、資力調査(ミーンズテスト)を行います。

その調査をもとに、要否の判定が行われます。申請があってから14日以内に結果が通知されます。

福祉事務所とは

「福祉に関する事務所」で、福祉六法(生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法及び知的障害者福祉法)に関する事務を行う社会福祉行政機関です。都道府県及び市(特別区を含む。)は設置が義務付けられており、町村は任意で設置できます。

生活保護の8種類を確認しよう!

生活保護の対象者として認められると、次の8種類が受給できるようになります。

このうち、看護師国家試験に問われたことのある以下の内容をしっかり覚えておきましょう。

住居確保の負担を減らす「住宅扶助」

住宅扶助は、家賃や住居費、家の補修費・維持費が支給されます。

そのため、家の購入などはできません

そもそも、4原理でも説明しましたが、生活保護を受ける方は資産がない状態です。

生活保護を受けて、資産となる家を変えるのはおかしな話ですよね。

義務教育費の負担をなくす「教育扶助」

義務教育で必要な費用が支給されます。具体的に、教科書、通学用品などです。

そのため、義務教育でない幼稚園、高校、大学などの就学費用は対象となりません。

義務教育である小・中学校が対象と覚えておくといいでしょう。

出産費用の負担がなくなる「出産扶助」

分娩介助、分娩前後の処置、出産に関わる衛生材料にかかる費用が支給されます。

出産を控え、新生児の着替えを用意する必要がある場合、新生児の被服費も支給に含まれます。

しかし、出産後の育児費用は一時扶助になるので、覚えておきましょう。

高齢化社会において重要な「介護扶助」

介護保険法で定められている要介護・要支援者に対して、保険料と介護サービス料が支給されます。

介護保険で保険給付が行われている場合、保険給付を優先して、自己負担分を扶助費として支給しています。

なぜこのような仕組みになってるかというと、生活保護4つの原理で解説した「保護の補足性の原理」があるからです。

こうやって、原理・原則を知っておくと各扶助で決められている仕組みがスッと頭に入ってくるので、基本を勉強するのって大事ですよね。

医療費の負担がまったくない「医療扶助」

生活保護を受給すると、保険料が支払えないので資格を失い、保険証を持つことができません。

その代わりに、この医療扶助があるのです。医療保険と同様の給付内容が自己負担なしで受けられます。

医療機関に行く場合は、担当のケースワーカーに報告し「医療券」を発行してもらってから、受診します。

8種類ある生活扶助の覚え方

看護師国家試験では、過去に8種類ある扶助を選択させる問題が出題されています。

だけど、

看護学生
看護学生

いや、8種類も覚えられんし!

覚えること多すぎて、大変ですよね。ここは、語呂合わせに頼っていきましょう!

生活保護の8扶助の語呂合わせは「イカソーセージ、生協産」です。

ぜひ、活用してみてください!

生活保護支給費は年齢や所在地で異なる

生活保護の各扶助は、年齢別、世帯人員別、所在地域別などによって設定されています。

所在地域については、「給地」を導入しており、生活扶助、住宅扶助および葬祭扶助それぞれの基準生活費の算定に導入しています。

なぜかというと、所在地域の物価や地価などに合わせて、地域格差を付けてからです。

生活保護の現状を理解しよう!

ここからは、生活保護に関するデータを見ながら現状を把握していきましょう!

生活保護をの実態を知るための統計調査は、次の4つがあります。

このうち「被保護者調査」と「医療扶助実態調査」は、看護師国家試験で問われているので確認していきましょう。

生活保護者の推移は減少傾向にある

被保護者は、202万4,586人で、近年は減少傾向です。

保護の種類別に見てみると、「生活扶助」が約176万人と最も多く、次いで「住宅扶助(約173万人)」「医療扶助(約170万人)」となっています。

生活保護を開始する理由で一番多いのは「貯蓄の減少」

保護を開始した主な理由は、「貯金等の減少・喪失」が46.1%と最も多く、次いで「傷病による(18.8%)」「働きによる収入の減少・喪失(18.1%)」となっている。

扶助の中で「医療扶助」の負担割合がもっとも多い

各扶助の中でも「医療扶助」の割合がずば抜けており、最新の令和2年(2021年)は49.7%と半分を占めています。

過去のデータを見ても医療扶助の割合が半分を占めており、医療扶助の削減が生活保護費にかかる費用を抑えるポイントになるのは言うまでもありませんね。

ですから、医療扶助に着目した統計を次から見ていきましょう。

医療扶助を利用している理由で多いのは「循環器系」

医療扶助ではその他を除き、総数は「循環器系の疾患」が 23.7%と最も多く、次いで「筋骨格系及び結合組織の疾患」が 12.4%、「精神・行動の障害」が 7.5%と続いています。

また、入院・入院外別にみると、入院では「精神・行動の障害」が 34.6%と最も多く、入院外ではその他をの除くと「循環器系の疾患」が 24.3%が多いです。

もっとイメージして生活保護を暗記したい!

「生活保護のこと勉強してもなかなか頭に入らない!」って方は、漫画を活用するのもオススメ!

生活保護を題材にした漫画で、ドラマ化もされている「健康で文化的な最低限度の生活」が特にオススメ!

ぜひ活用してみてください!めちゃくちゃ面白くて、頭に残りやすいです。

しかも、生活保護だけでなく他の社会保障の勉強にもなっちゃう一石二鳥のマンガです!

まとめ:生活保護は生活困窮にとって最後の砦となる

公的扶助は、低所得者や生活困窮者に最低限の生活水準を確保し、自立を支援するのが目的です。

生活保護は原理・原則に従い、運営されています。

生活保護には8種類の扶助があり、そのうち「医療扶助」の費用負担が大きいです。そのため、医療扶助の最新統計も確認しておきましょう。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

最後に知識の確認として、実際の看護師国家試験を解いていきましょう!

【確認テスト】生活保護の看護師国家試験問題を解いてみよう!

第102回 午後78問

1. 教育
教育扶助は生活保護の扶助として定められている。

2. 医療
医療扶助は生活保護の扶助として定められている。

3. 授産
生活保護の扶助として定められていない。授産とは身体・精神上の理由や世帯の事情により就労が困難な者に、就労や技能修得によって自立を促すこと。出産扶助とは関係ないので要注意!

4. 住宅
住宅扶助は生活保護の扶助として定められている。

5. 葬祭
葬祭扶助は生活保護の扶助として定められている。

第104回 午前32問

1. 保健センター
市町村の保健センターは地域住民を対象に、身近な保健サービスを行う。生活保護法による保護の決定は行わない。


2. 福祉事務所
生活保護の認定をするのは市町村(特別区を含む)の福祉事務所である。


3. 保健所
保健所は感染症の予防、医事および薬事、地域保健に関する統計などを行う。生活保護法による保護の決定は行わない。


4. 病 院
病院は、20人以上の患者が入院できる場所である。生活保護法による保護の決定は行わない。

第103回追試 午後37問

1. 居住地を管轄する福祉事務所に申請する。
居住地を有する要保護者はその居住地を所管する福祉事務所に申請する。


2. 扶助率は全国一律に定められている。
要保護者の年齢別・性別・世帯構成別・所在地域別その他保護の種類に応じて支給される。


3. 光熱費は生活扶助に該当しない。
食費、被服費、水道光熱費などが生活扶助に該当する。


4. ホームレスは対象とならない。
ホームレスの場合には要保護者として現在地を所管する福祉事務所の保護の対象となる。

第110回 午前79問

1. 5
5種類ではない。


2. 6
6種類ではない。


3. 7
7種類ではない。


4. 8
生活扶助・介護扶助・住宅扶助・出産扶助・教育扶助・医療扶助・生業扶助・葬祭扶助の8種類ある。


5. 9
9種類ではない。

第95回改変 午前35問

1. 呼吸器系の疾患
呼吸器系ではない。


2. 消化器系の疾患
消化器系ではない。


3. 精神・行動の障害
精神・行動の障害は4万3,835件で最も多く、34.6%を占めている。


4. 循環器系の疾患
循環器系の疾患ではない。ただし入院外では循環器系の疾患が最も多いので注意する。

第97回改変 午前48問

1. 世帯主の傷病
世帯主の傷病ではない。


2. 世帯員の傷病
世帯員の傷病ではない。


3. 働きによる収入減
働きによる収入の減少・喪失ではない。


4. 貯金等の減少・喪失
貯金等の減少・喪失が44.1%と最も多い。

第112回 午後32問

1. 医療扶助 ― 医療にかかる費用
文章の通り。


2. 教育扶助 ― 高等学校以上の教育にかかる費用
義務教育にかかる費用が教育扶助の対象である。高等学校以上は対象とならない。


3. 住宅扶助 ― 住宅の購入にかかる費用
家賃、部屋代、地代、住宅維持費(修繕費)、更新料、引っ越し費用などが住宅扶助の対象である。資産になるのは買えない。


4. 出産扶助 ― 新生児の育児用品にかかる費用
病院や助産施設で出産する費用が出産扶助の対象である。産後の新生児の育児用品にかかる費用は対象とならない。

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