医療保険は、看護師国家試験で必ず押さえるべき重要なポイントのひとつです。
患者さんは誰もが医療保険を利用しています。
そのため、自己負担割合や給付内容を理解しておくことは、看護師として欠かせない知識といえます。
特に、在宅看護を勉強するときにとても重要になってくるので、基本をしっかりとマスターしておく必要があります。
この記事では、次の内容について詳しく解説していきます。
- 医療保険の仕組み
- 医療保険の種類
- 医療保険の適応範囲 など

医療保険に関する基本的な内容を看護師国家試験の過去問をもとにまとめているよ!
最後まで読めば、医療保険がスッキリ理解できて得点源に変わるはずです。
「医療保険はどこから勉強すればいいの?」と悩んでいる看護学生はぜひ最後までご覧ください!
解説動画|医療保険の超重要ポイントを徹底解説!
この記事の内容はこちらの動画でも解説しています。
勉強になったと思ったら、高評価とチャンネル登録をよろしくお願いします!
医療保険とは?
医療保険とは、医療的な処置やケアを受けるときに費用の負担を軽減してくれる保険です。
保険に加入していると一定の割合を保険者が負担してくれます。
医療保険は、すべての日本国民しているため「国民皆保険制度」とも言われています。
この制度によって、誰もが必要な医療サービスを受けられるようになっているのです。
- 医療保険は、日本の全員が加入している「国民皆保険制度」である。
職業や年齢によって異なる医療保険
医療保険は、職業や年齢によって加入する保険が異なります。
大きく分けると次の3種類があります。
- 被用者保険(職域保険)
- 国民健康保険(地域保険)
- 後期高齢者医療保険
被用者保険は、会社員や公務員など誰かに雇用されて働く人が加入している保険です。
一方で国民健康保険は、自営業やフリーランスなどが加入しています。
そして、75歳以上または65歳以上で一定の障害があると後期高齢者医療保険に全員が加入します。
- まずは被用者保険、国民健康保険、後期高齢者医療保険の違いを覚えよう!
医療保険の保険者と被保険者を確認しよう!
医療保険の運営は、それぞれの保険ごとに保険者(運営主体)・被保険者が違います。
以下の表にまとめたので確認してください。
| 医療保険の種類 | 被保険者 | 保険者 | |
| 被用者保険 | 健康保険 | 大企業の社員とその家族 | 組合管掌健康保険(健康保険組合) |
| 中小企業の社員とその家族 | 協会けんぽ(全国健康保険協会) | ||
| 船員保険 | 船員とその家族 | ||
| 共済組合 | 公務員とその家族 | 各共済組合 | |
| 地域保険 | 国民健康保険 | 一般住民 | 都道府県・市町村 |
| 自営業の医師や弁護士など | 国民健康保険組合 | ||
| 後期高齢高齢者医療保険 | 75歳以上 | 後期高齢者医療広域連合 | |

被用者保険は「健康保険」「船員保険」「共済組合」の3つに分けられることにも注目しよう!
特に、「国民健康保健」と「後期高齢者医療保険」の保険者はよく出題されています。
- 保険ごとの保険者と被保険者をしっかりと覚えよう!
医療保険の中で覚えておくべき法律とは?
看護師国家試験には、医療保険を定めている法律も問われます。
とはいえ、つぎの医療保険は保険名と法律名が一緒なので覚える必要はありません。
- 健康保険 → 健康保険法
- 国民健康保険 → 国民健康保険法
- 共済組合 → 各共済組合法(国家公務員共済組合法や地方公務員共済組合法など)
一番覚えてほしいのは、後期高齢者医療保険です。
この保険を定める法律だけ名称が違います。
- 後期高齢者医療保険 → 高齢者医療確保法(高齢者の医療の確保に関する法律)

必修で問われるから絶対に覚えておこうね!
- 後期高齢者医療保険は、高齢者医療確保法によって定められている。
医療保険の自己負担割合
医療保険の自己負担割合は、加入する保険の種類や年齢・所得によって違います。
基本的な自己負担割合は、つぎの通りです。
| 医療保険の種類 | 自己負担割合 |
| 被用者保険(健康保険・船員保険・共済組合) | 原則3割負担(所得に応じて2割・1割に減額) |
| 地域保険(国民健康保険) | |
| 後期高齢者医療保険 | 原則1割負担(所得に応じて2割・3割に増額) |
所得に応じて自己負担金額に違いはありますが、原則を忘れないでください。
- 自己負担割合は、被用者保険・地域保険だと3割、後期高齢者医療保険だと1割である。
医療保険に欠かせない「高額療養費制度」
高額療養費制度とは、高額になった自己負担額を軽減する制度です。
年齢や所得に応じた上限額を設け、それを超えた分の医療費があとから現金で戻ってきます。

例えば、30代で月給40万円の人の自己負担限度額は9万円です。
もし、100万円の手術を受けた場合、窓口で3割の30万円を支払います。
しかし、上限額が9万円なので、上限額を超えた21万円が返金されるのです。
この制度のおかげで、高額な医療費がかかる場合でも、安心して治療に専念することができます。
- 医療保険には、「高額療養費制度」があり、自己負担をさらに軽くしてくれる。
医療保険が適用される範囲と対象外の医療
自己負担が軽減できるなんて、とても便利な制度ですよね。
とはいえ、すべての医療費に適応されてしまうと国が負担する医療費が上がってしまいます。
なので、医療保険の対象となるものがきちんと定められています。
- 診察
- 薬剤・治療材料の支給
- 処置・手術
- 在宅療養・看護
- 入院看護
一方で、医療保険の対象とならないものも定められています。
- 健康診断・人間ドック
- 任意の予防接種
- 正常な妊娠・分娩
- 美容目的の医療
- 経済的理由による人工妊娠中絶や避妊手術
- 保険外治療
医療保険の対象ではない者は、全額自己負担となってしまいます。

医療保険が使えるかどうかは、「その医療行為が“治療目的”かどうか」が判断基準になるよ!
- 医療保険の対象と対象外をしっかりとイメージできるようにしておこう!
医療保険は「現物給付」か「現金給付」で支給される
医療保険の給付方法には、次の2つの方法があります。
- 現物給付
- 現金給付
現物給付とは「診察や治療などのサービスを直接受ける給付」のことです。
一方、現金給付は「お金を受け取る給付」のことです。
医療保険の基本は現物給付ですが、一部の給付では”現金給付”が行われています。
ちなみに、現金給付は本来の目的以外に使われるリスクがあるため、あまり行われません。
- 医療保険の基本は、お金を払ってサービスを受ける「現物給付」である。
医療保険で出産時に受け取れる給付とは?
ここまで見てきて分かる通り、医療保険は治療の目的のためにかかった医療費を保険者が負担してくれる仕組みです。
ということは、医療保険だと「正常な妊娠・分娩」は保険適用外です。
その代わりに 「出産一時金」 という給付があります。
- 出産一時金:妊娠22週以降に生まれた一人の子に対して50万円が支給される

ただ、この50万円では出産費用をすべてまかなうのは難しくて、多少の自己負担が発生するよ!
そして、もうひとつ 「出産手当金」というものがあります。
- 出産手当金:産前産後休業中の給与補償として、標準報酬月額の2/3が支給される。
どちらも名前が似ていてややこしいので、間違えないようにしてください。
- 出産一時金は、一人当たり50万円支給される。
医療保険の傷病手当金と労災保険の違い
そしてもう一つややこしいのが、「傷病手当金」です。
傷病手当金とは、業務外の病気やケガで仕事をやすんだときに支給される補償金です。
3日間連続で休業して、4日目以降の休業から支給が開始されます。
ここで重要なのが 「業務外」 という点です。
では、業務内(仕事中)のケガや事故 の場合はどうなるかというと……
「労働災害補償保険(労災保険)」 から支給されます。

「業務内なのか」「業務外なのか」ケガをしたタイミングで使える保険が違うなんてややこしいよね。
看護師国家試験に傷病手当金と労働災害補償保険の違いを問う問題は出ていません。
しかし、労働災害補償保険に関する問題はいくつか出題されており、問題にしやすいので頭の片隅に入れておきましょう!
- 業務外のケガ・病気 → 傷病手当金(健康保険)
- 業務内のケガ・病気 → 労災保険(労働災害補償)
看護師国家試験に問われる医療保険まとめ
日本の医療保険制度は「国民皆保険制度」として全員が何らかの保険に加入しています。
職業や年齢によって加入する保険の種類が異なり、自己負担割合や給付の仕組みも変わります。
さらに、高額療養費制度や出産一時金・出産手当金など、負担を軽減する制度も充実しています。
看護師国家試験では、医療保険の種類や適用範囲、自己負担割合、法律の名称などが頻出なので、しっかりと理解しておきましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました!

コメント